マー君 被災地に帰ってくる!仙台の小学校訪問へ メジャー移籍後初

 ヤンキースの田中将大投手(28)が、11年の東日本大震災で被災した宮城県仙台市内の小学校を訪問するプランを進めていることが7日、分かった。

 田中が被災地を訪問するのは、14年のメジャー移籍後初めて。ともに自主トレを行っている古巣・楽天の則本昂大投手(26)、松井裕樹投手(21)ら「チーム将大」とともに、今月下旬の訪問を予定している。子供たちに笑顔を届け、野球人気の底上げにも尽力する。

 子供たちと直接触れ合い、笑顔を届けたい。変わらず抱き続けてきた思いが「ヤンキース・田中」としては初めて実現することになった。自主トレをともにする則本、辛島、釜田、松井裕も田中が希望した今回のプランに賛同。多忙なオフの合間を縫い「チーム将大」として被災地の小学校を訪問し、古巣・楽天も全面的にサポートする。

 「僕が行動することで元気や笑顔を届けられるのであれば、とてもうれしいです」と田中。プロ野球選手として育ててもらった東北の地へ感謝の気持ちは人一倍強い。楽天時代も球団単位だけでなく「プロ野球88年会」の一員としても支援活動に積極的に関わった。また、個人でも12年2月に11年沢村賞の賞金300万円を宮城県南三陸町の漁業団体に寄付した。

 加えて、右腕を突き動かすのは、子供たちの野球離れに歯止めをかけたいという願いだ。当日は児童との触れ合いイベントや一緒に給食を食べることで交流予定。そこで野球を身近に感じてもらい、野球を好きになってほしい。「野球の楽しさや素晴らしさを伝えられる機会にもなればと思っています。今から楽しみです」。20年東京五輪の競技種目として復活する野球。底辺拡大に努めることも、日本が世界に誇るプロ野球選手の使命の一つとして感じている。

 田中の活動に賛同し、今回の訪問にはスポンサーが付き、子供たちにプレゼントも贈る予定だ。田中は単発で終わらせるつもりはなく、来年以降も継続的に活動を行っていく予定。東日本大震災から5年が経過した昨年3月には、こう話した。

 「継続的な支援活動が必要だと思うし、また僕自身そういった活動をこれからもできる限りやっていくことができればいい。震災があったということを風化させてはいけないと思うし、後世に伝えていくことも大事」。シーズン中は投げる姿を通じて、オフには自ら足を運んで、熱い思いを伝え続ける。