ハムの石井一 初対外試合初打席初安打、遊撃守備も指揮官高評価
◇練習試合 日本ハム9―1韓国・kt(2017年2月8日 メサ)

アリゾナの空に、プロで初の快音を響かせた。日本ハムのドラフト2位ルーキー・石井一(早大)が8日(日本時間9日)、チーム今春初となる対外試合の韓国・kt戦に「2番・遊撃」で先発出場。初回にいきなり非凡な才能を見せた。
「スライダーかカットボールに対応できました。気持ちを強く持って打席に入った結果です」
試合直前のシートノックでは足が震えるほど緊張した。それでも「日本一連覇に向かう戦力の一員なんだ」と自らに言い聞かせ、落ち着いた。1ボール2ストライクと追い込まれた状況ながら、変化球に対応。右前へと安打を運んだ。5回には四球で出塁。柔らかいグラブさばきで栗山監督が「久しぶりにうまい内野手を見た」と高く評価する遊撃の守備でも、途中交代した5回までの3度の守備機会を無難にこなした。
前日には「縁」のある人物と初対面した。日米通算182勝の石井一久氏(本紙評論家)だ。チームに同姓の石井裕也がいるため、スコアボード表記は同氏の現役時代と同じ「石井一」。キャンプ地のピオリアを訪問した同氏に「使わせていただきます」とあいさつすると「僕が初代だからね」と冗談で返された。柔和な笑顔で周囲を明るくする人柄に触れ「石井さんのようにみんなに愛される選手になりたい」と誓う。
栗山監督は「試合に入っての順応性の高さは光っていた」と目を細めた。正遊撃手の中島の壁は高いが、アピールを続ける。(山田 忠範)
◆石井 一成(いしい・かずなり)1994年(平6)5月6日、栃木県生まれの22歳。作新学院では2年夏から3季連続甲子園出場。早大では1年春からリーグ戦に出場し、3年春に遊撃手でベストナイン。4年時には主将を務めた。好きな言葉は「人間的成長なくして技術的進歩なし」。1メートル80、77キロ。右投げ左打ち。