菅野 球数制限WBCの「理想」 重信をチェンジアップで1球料理

 巨人・菅野の「理想」が実現した。初めての実戦形式となるシート打撃。WBC球を使い、7人目の打者・重信に投じた初球は習得中の新球だった。

シート打撃に初登板しチェンジアップを投げる菅野

 「今日の中で一番いいチェンジアップ。打者(の体勢)を崩せたし、理想とする使い方だった」。自画自賛した134キロのチェンジアップは不規則に動きながら低めに沈み、思わずバットを出した重信をわずか1球で一ゴロに料理した。

 打者10人に対して2安打、4奪三振、1四球という内容で、全48球のうちチェンジアップは8球。ギャレットには初球から2球続けて投じ、空振りと見逃しで簡単に追い込んだ。4番候補の助っ人は「(空振りは)直球を待って振ったら違う球だった。真っすぐと同じような腕の振りだった」と証言。重信も「動きながら落ちるので嫌だなと感じた」と驚いた。

 WBCでは開幕2戦目、3月8日のオーストラリア戦(東京ドーム)先発に内定。65球の球数制限のある1次ラウンドでは「省エネ」を助ける大きな武器になる。女房役の小林も「空振りでなく、1球で内野ゴロに抑えられるように」と説明する。直球も147キロをマークしたが、菅野は「今が100%ではない。まだまだ出る」と言い、変化球についても「現時点では合格点。あとは細かい制球」と続けた。侍の大黒柱は頼もしかった。 (重光 晋太郎)

 ▽WBCの球数制限 1投手の球数は前回大会と同様、1次ラウンドが65球、2次ラウンドが80球、準決勝と決勝が95球に制限。打席中に制限数に達した場合は、その打席の完了まで投げることができる。また、50球以上投げた場合は中4日以上、30球以上投げた場合は中1日以上、2試合連続で登板した場合は球数に関係なく中1日以上、それぞれ空けなければならない。