【ランナーの英語】ライターが見た英語のマラソン応援メッセージベスト10
皆さん、こんにちは。素敵なランライフを楽しんでいますか? 今回は、ライター戸上がフルマラソンを走った際に発見した沿道のポスターの中から、特に印象に残った英語の応援メッセージ、ベスト10をご紹介します。今舞台は、2018年12月にアメリカ西部カリフォニア州の州都サクラメントで開催された第36回カリフォルニア・インターナショナル・マラソン。長いレースの途中、心がほころんだもの、思わず笑ってしまったもの、納得したものなど、さまざまなメッセージの中から皆さんのお気に入りを探してみて下さい!
まずはおススメトップ3
If you collapse, I’ll stop your Garmin
「もしあなたが倒れたら、あなたのガーミンを止めてあげる」
「ありがとう、よろしく!」と思わず言いたくなるこのメッセージ。ここでいうガーミンとは、もちろんガーミン社のランニング用腕時計のこと。万が一、走っている途中に倒れることがあったら、その記録を一時停止してくれるという優しいメッセージです。ランナーの心情を理解しているこんなメッセージが思いつくなんて、きっとこの応援メッセージを考えた人もランナーに違いありません。
Keep calm and marathon
「落ち着いてマラソンを続けて」
続いては、あの有名な “Keep calm and carry on”というフレーズをマラソン用に換えたものです。実は、このスローガンには歴史があり、1939年の第二次世界大戦時、イギリス政府が国民のモラルを保ち、パニック状態にならないようにと作られたものです(このスローガンに関するイギリス政府のブログはこちら)。
正確には『マラソン』という言葉は “to marathon”ではなく、“to run a marathon”, “to finish a marathon”など、名詞として使われるはずです。このフレースで “Marathon” は名詞ではなく、動詞として使われているのはなぜでしょうか?
答えは、Carry onとMarathonで韻を踏むためです。逆に “Keep calm and run a marathon”と書いてしまうと、まとまりのない印象です。
You run better than our government
「政府の運営よりもあなたの走りの方が上手だよ」
これは、現在のトランプ政権をコミカルに批判したポスターです。Runは、走るという意味以外にも、運営する、取り仕切る、など様々な意味があります。“Run the government(政府を運営する、国政をつかさどる)” やビヨンセの “Who run the world? Girls!(世界を動かしているのは? ガールズ!)”という歌詞のように組織を動かす、取り仕切ることと走るという、2つの意味を合わせた賢いメッセージです。
アメリカの定番
Touch here for power!
「ここを触れば元気になるよ!」
これは、アメリカ各地のレースで見かけるお決まりのポスターです。ポスターの真ん中に星が描いてあって、それを触るだけで元気がでる、というゲーム感覚のポスターです。レース中は、このサインをたくさん見かけるので、私は疲れてきた時に元気をもらうために触っています。本来効き目は無いはずなのに、なぜか力が湧いてくるのが不思議です。
思わず笑顔になる言葉
This is the worst parade ever
「これは史上最悪のパレードだ」
「いやいや、これは何かのパレードじゃなくてマラソン大会です」と、思わずつっこみたくなる面白いメッセージです。もし、このイベントが本当にパレードだったら、ぞろぞろと人が走っているだけなので、確かにつまらないかもしれません。
Go random stranger!
「見知らぬ人も頑張れ!」
微妙なニュアンスにはなりますが、Go random stranger! は英語でも少し突き放した表現で、受け手としては「え、random stranger (赤の他人)って呼ぶなんてちょっとひどい」と思ってしまいます。しかし、このメッセージは言葉では突き放しつつも、実はランナー全員を優しく応援してくれている、というアメリカンジョークのようです。このようにランナー全員を応援してくれているメッセージはとても嬉しいものです。
I farted, run!
「おならしちゃった、走れ!」
これは、沿道で小さな子供が持っていた可愛いメッセージです。走るというよりも「急いで逃げろ」という、なかなか新鮮なアイディアです。
政治状況を反映
続いては、再び政治を反映するメッセージです。
Impeach Trump! Whoops I thought this was a rally
「大統領を弾劾せよ! あ、間違えた、政治デモかと思った」
最近の政府閉鎖(government shutdown) を含む混沌とした政治情勢の中、アメリカでは各地で政治デモが行われ、多くの人が集まります。この応援メッセージは、「多くの人が集う政治デモだと思って来てみたら、マラソン大会だった」というジョークです。さすが、民主党支持派が多く住むカリフォルニア州です。ちなみに“Whoops”とは「あれ?」または「おっとっと」という意味の感嘆符で、何かを間違えてやってしまったとき、日常的に使います。
辛いのは自己責任?
続いては、「自分でレース出場を決めたのならば、辛さも頑張って乗り越えて」というメッセージが込められた応援です。
Smile! You paid for this
「自分でお金を払ったんだから、笑顔を見せて」
確かに、2万円弱の高いお金を払って、自分の意思でマラソンに出場しようと思ったけど……。面白いようで、痛みに苦しんでいる最中は、あまり笑えない応援でした。
I bet this seemed like a good idea four months ago
「4か月前は(マラソンを走ることが)いいアイディアだと思ったんだろうね」
さて、最後にご紹介するのは、レース中に時折ランナーが感じてしまう後悔の念をジョークにした応援です。確かにレースに登録する時、走っている間の苦労について考える人は少ないのかもしれません。
“I bet……” というフレーズは「きっと~だろうね」という意味で、『確実ではないが自分はこう予測する』という表現です。
以上、英語のおもしろマラソン応援メッセージをご紹介しました。皆さんはどのフレーズがお気に入りですか? そして他にどんな応援フレーズを見たことがありますか?
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