異色の経歴持つ巨人育成右腕・坂本工、原監督が評価する「ひたむきさ、ハングリーさ」

 オープン戦が始まり、開幕が近づいてきたプロ野球。巨人は、投手では高田、大江、野手では和田、松原ら若手の有望株が出てきたが、なかでも注目したいのが育成選手の右腕・坂本工だ。

巨人・坂本工

 キャンプの実戦4試合、計9回1/3を3安打2失点と猛アピール。「どんどん内角を攻めていくピッチングが自分の売り。結果が全てなので、結果を出し続けたい」と宣言通りの投球を続けている。原監督は「ひたむきさ、ハングリーさは素晴らしい」と評価する。

 経歴は異色だ。関学大の準硬式野球部出身。硬式でプレーした関西学院ではベンチ入りできず、試合に出る道を求めて準硬式球を握った。大学2年で、外野手から憧れていた投手に転向。4年生の春にリーグMVPに輝くと、9月からプロ入りを目指し、硬式球での練習を始めた。そして16年の育成ドラフト4位で指名を受けた。地道に練習を重ねてきた。17、18年と秋季キャンプのメンバー入り。今季の春季キャンプは2軍スタートだったが、首脳陣の目に留まり、沖縄2次キャンプから1軍に昇格した。

 今季が3年目。「本当に勝負の年」と位置づける。「何が何でも支配下を取るという思い」で毎日を過ごす。キャンプの休養日も肩甲骨を動かすトレーニングなどを行っている。23日の楽天戦ではオープン戦初登板を果たした。9287人の観衆の前で1回1/3をピシャリ。「お客さんがたくさんいた方が、僕はハイになれる。お客さんが多い日はアドレナリンが出るので、気持ちよく投げられた」。坂本工が東京ドームのマウンドに上がり、4万5000人の観衆の前で投げる姿が楽しみだ。(記者コラム・岡村 幸治)