Dバックスの平野 1回を8球でピシャリも複雑「過去には何度も抑え過ぎてあかんかったというのも…」
ダイヤモンドバックス・平野佳寿投手(34)が27日(日本時間28日)、韓国・NCとの練習試合に2番手として登板し、わずか8球で3者凡退と1回を完璧に抑えた。
先頭打者を初球真っすぐで中飛。次打者は2ストライクと追い込んだ後、首を振って習得を目指すカーブを試投し三ゴロに打ち取った。3人目も初球カーブでストライクを先行させたあと、カウント1―2からフォークで空振り三振に仕留めた。
今季実戦初登板を絶好の滑り出し。ライブBP(実戦形式の打撃練習)登板も含めて好調を維持しているが、プロ14年目のベテランは逆に慎重になる。
「(打者を)抑えていくのがいいけど、過去には何度も抑え過ぎてあかんかったというのもある。オープン戦で良かったけどシーズンに入ったら最初全然ダメとか。去年は逆で、オープン戦がダメだったのに、シーズンに入ったら良かった。適度に打たれるのもいいかな」と複雑な胸中を明かした。
警戒するのは慢心。「抑えて“俺はいける”というところで崩れる。打たれたオープン戦の後のほうが、気を引き締めないとダメ、というのがある」
この日の収穫は、第3の球種として練習中のカーブ。前回のライブBP登板はストライクが取れなかったが、この日は2球投げて、内野ゴロと見逃しストライク。特に内野ゴロは追い込んでから、捕手のサインに首を振って投げた。
もっとも、すぐに決め球としたいわけではない。「あのカウントでは(今後)たぶん使わない。ただ先頭打者が1球で終わったし、次の打者もフォークで終わってしまうと、試すところがなくなる。それで投げただけ。投手コーチには後で言いました。むしろ次の左打者の初球、見逃しストライクを取れたのはよかった。ああいう使い方はする可能性がある」と説明した。
新球にも一定の手応えを得て、今後もテストを続ける。次回登板は2、3日空けてオープン戦初登板となる見込み。(スコッツデール・奥田秀樹通信員)