【八戸学院光星】甲子園10大会連続初戦突破!その強さの秘密とは?

東北がアツい!2018年秋の東北大会王者、八戸学院光星取材の最後は、過去10大会連続で甲子園で初戦突破している強さの秘密に迫ります!

強さのヒミツ1|監督がアツい!

仲井宗基
1970年5月3日生まれ。大阪府出身。桜宮―東北福祉大では捕手。93年から光星学院高コーチ、06年に部長、10年に監督就任した。11年夏から3季連続甲子園準優勝、昨秋に侍ジャパンU-18代表のヘッドコーチを務めた。

「郷土のプライドは大事。お前ら、もっと方言出せぃ!って言ってるんですよ(笑)」

選手に聞いた仲井監督のマル秘エピソード

タレコミ(1)相手校応援にもノリノリだった!?

秋の東北大会1回戦・専大北上高校戦で相手が「USA/DA PUMP」の曲で応援をしていたとき、まるで自校の応援のようにベンチでノッていた。お陰で初戦の緊張が消えました!

タレコミ(2)寮監のときは、朝からテンションMAX!

授業では監督のときと違った明るさで和ませてくれ、4日に1度の寮監のときは、朝の点呼からテンションを上げて、寝ぼけている僕らに元気を与えてくれます(笑)!

強さのヒミツ2|施設がすごい!

寮から徒歩0分の位置に大学と共用の専用球場、室内練習場を持つ。冬でも十分にバッティングができることが光星の自慢だ。

強さのヒミツ3|県外選手からの刺激

沖縄県出身:島袋翔斗(2年・中堅手/写真左)

「県外の選手たちがなまりとか方言を出さないでいると、監督が『自分を失うなー!』って言ってくるよね!」

大阪府出身:伊藤大将(2年・二塁手/写真中)

「島袋は顔も沖縄っぽいので、長そでが似合わない。冗談でよく『長そで着るな!』って言っています(笑)」

奈良県出身:近藤遼一(2年・一塁手/写真右)

「サードの下山(青森県出身)は、最初かなり人見知りだったんですけど、関西弁でガンガン話しかけていったら自然と関西弁が移っていきました」

次のフィーバーはオレたちが起こす!センバツに向けた“アツい”意気込み

激闘の東北大会を制し、センバツに挑む光星。選手たちは口ぐちに「日本一を取るために光星に来た」と言う。神宮大会2回戦敗退の課題は、勝負どころでの発揮力。1球の集中力を研ぎ澄まし、聖地での大活躍を誓う!

2年・遊撃手 武岡龍世

「憧れである先輩の坂本勇人さん(巨人)のように「光星の顔」となれる活躍をしたいです」

2年・投手 後藤丈海

「神宮大会で負けて、日本一が近いようで遠いことが分かった。勝って力を証明したいです」

2年・二塁手 伊藤大将

「『お前はもっと活躍できる』と監督から言われたので、自分自身にも勝ちたいです!」

2年・三塁手 下山昂大

「夏は2回戦で負けて、自分自身も活躍ができなかった。次こそチャンスで打ちたいです」

2年・一塁手 近藤遼一

「甲子園に行くからには当然優勝という気持ちで練習してます。打点をたくさん稼ぎたい」

2年・中堅手 島袋翔斗

「持ち味の快足を生かし盗塁でチームに勝利を与えたい。日ハム・西川遥輝さんが目標です」

甲子園では過去10大会連続すべて初戦突破!

三沢高校のエース太田幸司投手が松山商業高校と決勝を戦い、全国区の人気となったのが1969年夏。以降、甲子園上位進出に苦しんでいた青森で青森山田高校と光星学院高校(現八戸学院光星)の私学2強が台頭し、全国強豪校と呼ばれるまでになった。

青森は年間の雪日数が全国2位(1位北海道)。それなのに、直近10年の県別の甲子園勝率(59.52%)は宮城を抜いて東北NO.1である。全国的に見ても、大阪、沖縄、神奈川、埼玉に次ぐ全国5番目の強豪県となっている。光星が「10大会連続初戦突破」をし、勝率を押し上げたことも理由だろう。仲井監督に秘策を聞くと「相手の分析に時間をかけます。打撃方向を把握し、バッテリーには意図のある配球を組み立てさせています」と、捕手出身らしい思考を明かした。

「ただ、日本一の壁がある。大阪桐蔭と日大三に決勝で負けているので、ここを突破する力をつけないと」。
近年は複数投手を整備し、トーナメントを勝ち切るチーム作りへの転換も行っている。

(取材・樫本雪/写真:松橋隆樹)