ダルビッシュ 前日からフォームを一気に変えて大成功 2回を無安打無失点

 この時期、フォームで試行錯誤を繰り返すカブスのダルビッシュ有投手(32)が3日(日本時間4日)、ホワイトソックス戦で登板当日になってフォームを一気に変えて大成功した。2回を無安打無失点、3三振1四球で勝利投手となった。

<カブスキャンプオープン戦 カブス・ホワイトソックス>力投するダルビッシュ(撮影・会津 智海)

 真っすぐはしっかり指にかかって最速97マイル(約156キロ)で自己採点は「85点」。変化球もスライダーとスプリットで空振りを奪い「100点」だった。

 フォームのタイミングとバランスが良かった。「それが合っていないと、踏み込んでから足でぐっと地面で踏ん張るタイミングとリリースが合わなくなる。そのタイミングが合うとパチっと行く。合わないと抜ける」と説明する。

 オープン戦初登板だった前回2月26日のダイヤモンドバックス戦は、右肘に痛みが出ずに投げ切れたのは良かったが、内容には満足していなかった。

 「前回は直っすぐも球速は出ていた(最速96マイル)けど、自分の中で、指にちゃんとかかっていない感じがあった。スライダーもコントロールが悪かった」

 そこでこの4日間、修正を試みたが、うまくいかない。

 「昨日までのフォームは、家でシャドーっぽいことをしても、しっくりこない。ちょっとむちゃくちゃになっていた」と明かす。

 メジャー1年目以来となる、ワインドアップも考えた。「昨日もコーチに、明日ワインドアップで投げていいかと聞いていたので、それくらい迷っていた」

 それがこの日の午前中で、また一気に変えた。

 「そういう時に一気に変えると、しっくりくるようになる。全体的にリズム、タイミング全てをぱっと変えて、もっとシンプルな感じで投げました。(前日までとは)違うタイプの投げ方だけど、そんなに難しいフォームではないので」

 スライダーはこの日5球投げて空振りが2個。「本来の自分のスライダー。空振りが取れる、バッターの目を浮かせるスライダーを投げられた」

 真っ直ぐについては「左打者の直っすぐだけちょっと引っ掛けて、ストライクを取れていなかったので」と少し自己採点が低かった。

 とはいえ、この日一気に変えたフォームを、開幕に向けて固めていけるかどうかは分からない。自らも「どうせ、また2週間くらいしたらバラけてくる。その時の次のフォームを一応、探しておくというか…」と覚悟する。先日も「毎日同じことができるかというと、そうでもない。結構同じ感じで投げても、タイミングが変わり、前とは違ったりする。その中で絶対に変わってはいけないポイン卜を早く見つけて、そこさえ変わらなければOKとしたい」と話していた。

 登板後、日本人記者の囲み取材では珍しく「座らせてください」とカートの荷台に腰掛けたダルビッシュ。「毎回結構思い切り投げすぎているから、次はペース配分を考えないと」とポツリ。次回登板は4イニングの予定だ。(奥田秀樹通信員)