プロ注目 駿河総合・紅林「チームを夏の甲子園に導き、その上で50本塁打を打てたら」
センバツに出ていればきっと主役の座を奪っていた!?1メートル86、81キロの恵まれた体は花形ポジションだからこそ余計に映える。静岡県が誇る駿河総合の紅林弘太郎(2年)遊撃手に、プロの担当スカウトは「ドラフト指名は間違いない」と口をそろえる。打者としても高校通算23本塁打を誇り、春からの飛躍が楽しみな逸材だ。
「(昨年)秋に結果が出始めて、シーズン後にプロを意識しました。自分のプレーをしっかりして、チームを夏の甲子園に導くことが大事。その上で本塁打50本を打てたら」
中部を制した昨秋公式戦で4本塁打を記録した。それ以上に目立ったのが守備力。大型選手でありながら身のこなしが柔らかく、一歩目の速さを武器に三遊間の打球処理も地肩の強さで難なくアウトにする。好きじゃなかったダイビングキャッチにも「体がデカいから飛び込めば捕れる。今は大事だと思っています」とはにかんだ。
侍ジャパンU―18日本代表候補として確実に名が挙がってくるはずだ。もともと三塁手で、センバツに出場する東邦(愛知)の石川昂弥投手(2年)と三遊間構想もあるとか。直接来校した永田裕治監督(55)から「常に高い意識を持ってやってくれ」と背中を押され、さらに木製バットでオーバーフェンスを連発した中日の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭出)や広島の小園海斗内野手(18=報徳学園出)の武勇伝を聞き「凄くモチベーションになりました」とやる気に拍車が掛かった。
スイング、ウエートトレの量は格段に増えた。取り組む姿勢は見違えるほどで、同校の望月俊治監督(53)は「“ヘッドスピードを上げるにはどうしたらいいか”とか、よく聞きに来るようになった。欲が出てきたね」と感心する。OBで三菱重工広島からドラフト2位でソフトバンク入りした最速153キロ右腕・杉山一樹投手(21)の存在にも刺激を受ける。平成から新元号へと時代をまたぐ19年、紅林が輝きを放ち続ける。
(小澤 秀人)