【大学準硬式】強豪大学を倒すために #1筑波大学準硬式野球部 後編
ちょっとマイナーな「大学準硬式野球」の魅力を高校生に伝えるべく、実際に準硬式に携わる大学生に魅力的な部活を紹介してもらう企画がスタート! 記念すべき第1回目は「野球チームとしての新たなモデルとなる」をコンセプトに、クリエイティブな活動をしている筑波大学準硬式野球部。関東連盟の学生委員である山田力也(青山学院大)くんがリポートする。
3部といえども侮るなかれ群雄割拠で熱い準硬式の戦い
2021年3月中旬に開催された関東選手権、練習再開から1カ月半ほどしか経っていなかったが、筑波大学の目標は「強豪大学を倒すこと」。おあつらえ向きに1試合目に超強豪の日本大学と対戦し、3対7で敗戦した。
「目標は達成できませんでしたが、日大さんとの試合を通してさまざまなことを体感し、学ぶことができました。純粋に試合が楽しかったです。ただそれ以上に負けたということが悔しい。今はすでに始まっているリーグ戦で関東選手権での経験を活かし、次の目標であるリーグ戦優勝、2部昇格を目指していきたいと思っています」(戸谷)。
「正直点差以上に差はあるなと感じました。しかし、1試合勝負であればある程度の戦いができることがわかったので、あとは選手層を厚く出来れば1部も夢ではないと思いました。関東大会という機会でなければなかなか1部のチームともやることがないので、とても刺激になったし、いい経験になりました」(千葉)。
1部リーグと戦うことが少なければチーム力は上がらない、また強くしようインセンティブも働かない。東都リーグでは昨年まで1部と2部限定であった新人戦(アルシスコーポレーションカレッジベースボールカップ)の参加を、3部まで参加できるようになった。東都学生委員長が3部の力が上がってきていることを評価しての判断だ。
このような判断に対し戸谷は「まずそのような評価を頂けたことを嬉しく思います。 たしかに3部リーグのレベルが上がっているというのはリーグ戦を通して実感しています。どのチームと試合をする時も簡単に勝てる試合というのはありません。私が特にレベル上がったと感じるのは各大学の打撃力で、年々強く振れる選手が多くなっているように感じます」と答える。
千葉も意気込む。「3部リーグと聞けば響きは悪いかもしれませんが、リーグで戦っている肌感として3部リーグは非常に力が拮抗しており2部にも勝つのも夢ではないと思います。3部には戸谷のようにいい投手もいますし、戸谷の球を簡単にホームランにするような選手もいます。個人の能力としても高い選手が沢山いると思います」。
高校野球と違って、勉強はもちろん、アルバイト、就活、大学での研究など、さまざまなことを同時にしなくてはならない大学生が、一度本気になって区切りをつけた野球を始める理由はどこにあるのか。本稿を見て少しでもわかっていただけたら幸いである。これからも数多くの大学に取材をし、硬式でも軟式でもない準硬式野球の魅力を伝えていきたい。
取材にご協力いただいた筑波大学の皆様、本当にありがとうございました。
(写真・文/山田力也)