正解のない時代にビジネスパーソンはスポーツから何を学べるか。福富信也さんから学ぶ、VUCA時代の組織づくり【PR】
デジタルマーケティングを軸とした事業を展開し、2024年3月よりスポーツビジネス事業を手掛ける株式会社Canvas。今回は、スポーツに社会課題を解決するポテンシャルがあると見出(みいだ)し、企業やアスリート、スポーツチームの成⻑支援をサポートしていく同社の活動に迫ります。
同社は6月からスポーツの価値である「人を育てる」HR領域を軸とし、企業や人の成長を支援していく企業研修サービスを開始。2024年4月19日、この企業研修サービスの導入となるセッションが株式会社Link Sports併設のイベントスペース『Sports Innovation Arena』で開催されました。本記事ではそのセッションの模様をお届けします。
この日のセッションに登壇したのは、全5回に渡るプログラムの中心となる株式会社Humanergy 代表取締役・福富信也さん。10年間にわたって日本サッカー協会公認S級指導者ライセンスの講師を務め、明治安田J1リーグの横浜F・マリノスやヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌の指導に携わった、名うてのチームビルディング指導者です。
2024年からはFC東京のチームパフォーマンスアドバイザーに就任。そのほか数々のプロスポーツチームや企業のチームビルディング研修に講師として招かれるなどの実績も豊富です。
株式会社Canvas・スポーツ事業部統括責任者の髙橋勇紀さんは「スポーツ分野のみに留まらず、ビジネス分野にもしっかり応用できる知見やヒントを授けてくれる」と、この研修が福富さんの存在なしでは成り立たない理由を説明します。福富さんも「髙橋さんやCanvasさんの『スポーツの力で社会をよくしたい』という気持ちに共感した」と、“強力タッグ” に至った背景を語ります。
福富流、チームビルディングの勘を養う思考法
福富さんはセッション冒頭で2019年の天皇杯王者に輝いたヴィッセル神戸の記憶を述懐。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャなどの世界のスーパースターが集った当時のヴィッセル神戸を引き合いに、チームビルディングの視点から強烈な “個” が一つにまとまる難しさを振り返ります。
続いて、「プロスポーツのチームビルディングから学ぶ『成長する』組織の作り方」をテーマとした組織論を展開。福富さんが話題提供者となり、それらについて参加者主体のディスカッション形式でプログラムが進行していきます。
「僕自身の体験ですが、人からの質問に答えていくうちに、自分の考えが改めて整理されるんです」と、福富さんが語るように、参加者同士のディスカッション形式には学びを深める効果があるようです。
このセッションでは福富さんがさまざまな事例、知見、ワークをシェア。その前後で参加者同士がディスカッションを繰り返すことで学びを深めることができる仕組みとなっています。こうして、セッションは講義とディスカッションを交互に進めるかたちで進行していきました。
印象的だったワークは、同じ対象物を3名が異なる角度から見て、全体像をあぶり出すものです。参加者に3人グループを作ってもらい、立体図の断面を異なる角度から切り取った画像をそれぞれに見せます。そして、3人がディスカッションをしながら対象物の全体像を考えていきます。
「チームの現状理解をするのに、メンバーそれぞれが異なる角度から物事を認識している」という、チームビルディングには欠かせない大前提を認識するにはうってつけのワークでした。
参加者からは「福富さんのワークが、他の人の考えを知るのにピッタリの設定だった」「他の人が角度の違う意見を言ってくれるので、その意見をもとにまた違う意見が生まれた」と、感想の声が上がりました。
VUCA時代に必要な心構えとは?
「講義の中で、スポーツとビジネスに共通する組織体質の問題に触れておくことが重要だと思った」と語る福富さん。セッションでは主にスポーツとビジネス両方に共通する組織の弊害について触れます。
その弊害の一つは、組織づくりにおける過度なトップダウン体制です。指導者が選手の自主性を重んじず、チーム全体が機能不全に陥りがちになっている昨今のスポーツの現場。福富さんはビジネスにおいても、リーダーとその下で働くメンバーにも起こり得る構図だと話します。
福富さんは、そのほかの弊害として不正リスクについても言及。『不正のトライアングル理論』を用いて、なぜスポーツのチーム内にパワハラなどの不正が起きるのか。また、ビジネスにもそれが起きうる可能性を説明します。
印象的だったのが、VUCA(※)と呼ばれる現代のビジネス環境においては、トップダウンでの組織づくりに限界がある、と説いたことです。
※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という単語の頭文字を集約した概念
経験・知識・情報の価値が急速に失われる現代にあって、過去に学ぶだけでなく、変化に適応できる組織づくりの必要性を参加者に語ります。
現代は「何が正解になるかわからない」
このプログラムの理念の一つに「対話を通じて組織について探求すること」があります。そして、参加者間で行なわれるディスカッションには明確な正解はありません。
「ここは正解のない問いについて、自由な雰囲気で探求する会です。正解・不正解を重要視はしません」と、髙橋さんも話します。
セッション中に福富さんから幾度も発せられたのは「何が正解になるかわからない、劇的な変化が連続する時代です」という言葉。その通り、ディスカッションではあえて正解のない問いが出され、いかにその「答えのようなもの」を導き出すかを、参加者は悩みながらディスカッションしていました。
直近にM&A事業を買収した責任者は「これからチームや組織づくりにおいてヒントとなることがたくさんあった」「方針をメンバーと一緒に考えるのがリーダーであると強く感じた」と、このディスカッションの感想を語ります。
スポーツを通じてビジネスの肝を学ぶ
6月より株式会社Canvasは、スポーツの第一線で活躍された監督/選手らをゲストにした双方向型のプログラムをスタートします。このプログラムの理念は先述のものに加えて「自由な雰囲気で色々な業種と交流して教養を深める」「参加者同士がシナジーを起こす」ことを目的としています。
一方通行の講義だけではなくディスカッション形式の学びから、参加者同士がミックスアップで成長していく。そんな狙いで毎回さまざまなゲストを招き、福富さんを中心にプログラムは進行する予定です。誰にでもわかりやすいスポーツの話題をビジネスの問題に昇華する福富さんのプログラム構成も必見です。
今後は「チームワークの本質」や「自己理解」「マネージャーの仕事」にフォーカスしたプログラムを実施予定です。サッカー年代別代表監督、元日本代表選手などスポーツの第一線で戦ってきたゲスト、福富さん、参加者がシナジーを起こし、どうやって学びやヒントを引き出していくのか。
この日、参加者から多く聞かれた「目からウロコ」の福富流チームビルディングの心得。不確実で正解のない現代において悩めるビジネスパーソンはぜひともチェックしたい内容です。
今後のプログラムについて
6、7月のセミナーは計5回実施。テーマに合わせて元プロサッカー選手、監督からお話を聞くだけではなく、ディスカッションを行い共に成長する学びの場となっております。
【第1回】6月7日(金) スポーツから読み解く チームワークの本質① ゲスト:石原孝尚(元INAC神戸監督)
【第2回】 6月14日(金)スポーツから読み解く チームワークの本質② ゲスト:原崎政人(元ベガルタ仙台監督)
【第3回】 6月28日(金)チームのなかで自分らしく輝くための 自己理解 ゲスト:石川直宏(元サッカー日本代表)
【第4回】 7月19日(金)チームの力を引き出す マネージャーの仕事①成長支援 ゲスト:狩野倫久(U20日本女子代表監督)
【第5回】 7月26日(金)チームの力を引き出す マネージャーの仕事②目標達成 ゲスト:永田聡典氏(立正大学)
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