【沼津商】大久保匡人監督|高校生のうちはとにかくチームを勝たせる選手になってほしい
沼津商業は決して強豪校というわけではなく、これまでにNPBに進んだOBもいない。そんな中でキャッチャーの後藤幸樹選手には、取材した時点で既にNPB8球団が視察に訪れているというが、これまでどんな成長曲線を描いてきたのか、魅力はどこなのか、チームを指導する大久保匡人監督に聞いた。
——最初に後藤選手のプレーを見た印象はどうでしたか?
中学校の時にショートを守っているのを見たのですが、プレーに華があるなというのが第一印象ですね。パッと見て、自然と目が向く選手っているじゃないですか。こういう選手と一緒に野球できたら楽しいだろうなと思いました。そうしたら学校説明会や練習にも来てくれて、すんなりうちを受けてくれることになりました。
——入学してすぐに試合でも起用したそうですね。
5月くらいにはスタメンでした。入学してきた時のチームは3年生のキャプテンがキャッチャーで、その選手が中心のチームだったので、後藤はまず内野で使いました。秋の新チームになった時に本人に聞いたらキャッチャーをやりたいですと言うので、それからはキャッチャーです。
——これまで約2年間、後藤選手のプレーを見てきて、思ったような成長曲線を描いている印象ですか?
順調というか、正直こちらが想像していた以上に成長していると思います。ただ改善点も多いので、そういう意味では伸びしろもまだまだあるのではないかなと。また本人も早くからプロ野球選手になりたいと言っていたのですが、ただ漠然となりたいではなく、ちゃんとゴールとして設定して、そのために何をしないといけないかということを決めようという話をしてから、取り組みも変わったように見えます。

——選手としての長所や、プロのスカウトから評価されている点はどのあたりだと思いますか?
まずは体の強さと運動能力の高さですね。正直、技術的には高いレベルで通用するにはまだまだだと思います。ただそれでも肩が強くて足もあって強くバットを振れる。素材として評価してもらっている部分が大きいですね。あとは人としての魅力というか、接していてもなんか応援したくなるような雰囲気がありますし、そういう選手になってほしいという思いもあって接しています。
——かなりスカウトの方も見に来ているようですが、そのことでの変化はありますか?
スカウトの方もそうですし、今回のような取材もですが、プラスの面の方が大きいと思います。本人のモチベーションにも繋がっていますね。ただ、どうしても力んでしまうところがあるので、今日この後にやる実戦形式の打撃では、たぶん引っかけてサードゴロを打つと思います(笑)。あと後藤だけでなく、チームとしてもこうやって色んな方来てくださるのはありがたいですね。見られているということが良い緊張感になっていますし、他の選手にとってもアピールのチャンスだよという話はしています。
——逆に後藤選手がチームの中で浮いてしまうようなことはないですか?
それは見ていても全く感じないですね。キャプテンもこちらが決めたのではなく、選手同士で決めたのですが、自然と後藤がなっていました。個人のことだけでなく、チームとして勝ちたいということは常に考えて行動できていると思います。
——社会人野球の練習に参加したことも刺激になったようですが。
高校生の中ではある程度自分も力があるという自信を持っていたと思いますが、社会人の練習で自分が一番下手くそだということを痛感したようです。肩の強さとかは通用してもプレーの精度が全然違いますよね。私も引率で見に行かせていきましたが、社会人の練習は声のかけ方や選手の引き上げ方なども本当に勉強になりました。そういう意味では後藤に感謝ですね。

——過去に沼津商からプロ野球選手はいないそうですね。
そうですね。私がここに来て9年目ですが、こんなにスカウトの方や取材に来られたのも初めてです。卒業して大学で続ける選手も少しずつ出ていますけど、基本的には就職が強い学校なので、そういう意味でも後藤には高いレベルでやってもらいたいですね。
——最後にこんな選手になってもらいたいというのがあればお願いします。
まず高校生のうちはとにかくチームを勝たせる選手になってほしいですね。本人もチームが勝ちたいという思いが強いので、自分だけでなく周りも引き上げるようにはしてくれていると思います。将来的にはみんなから応援される選手になってもらいたいですね。今も部活以外のところでも雰囲気を明るくする素養みたいなのは感じます。プレーはもちろんですが、そういうところでもチームに貢献できるような選手を目指してもらいたいですね。(聞き手:西尾典文/写真:編集部)
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