ダル 昨季被弾のシュワバーに注目「トレーニングを陰から見る」
【ダルビッシュに聞く】

――カブスを選んだ理由は。
「カブスが凄く誠意を持って交渉してくれていたというのと、凄く皆さん、エプスタイン(編成本部長)を含め、凄く素晴らしかったので、家族も安心して過ごす事ができるなと思いました」
――チームが決まらないのではという心配は。
「ジョエル(・ウルフ代理人)にも最初から言ってたんですけど、自分たちが求めているようなものがなくてチームが決まらないようなら、俺はいつでも引退できるから、心配しなくていいよ、と言ってました」
――どこに一番誠意を感じたのか。
「ジョエルとも一番細かく連絡を取ってくれたと思いますし、最初から最後まで、ずっとそういう感じだったので。ずっと、凄く欲しいということを言って下さっていたので。そういうところです」
――カブスにとっては一番欲しい選手だった。自身にとってはどうだったのか。
「ジョエルがカブスがいいと、去年のデットライン(トレード期限)の時からずっと言っていた。このオフシーズンもずっと言い続けていたので、それでどんどんイメージが良くなっていった。元々悪いわけじゃないんですけど、良かったのがもっと良くなった」
――外から見たチームの印象は。
「凄くいい選手、しかも若い選手がたくさんいますし、本当にいいチームだな、(敵として)やりにくいなというのが、凄くありました」
――新しいチームでの楽しみは。
「レンジャーズにもドジャースにもなかったものが、またここにもあると思う。この球団から学べることがいっぱいあると思うので凄く楽しみです」
――ワールドシリーズで苦しんでいる時、何を学んだか。
「いろいろな、なぜそうなったか、という記事は目にしたので、何となくありますけど状態としてそこまで悪いわけでは…。このオフは、あそこだけじゃなく、去年1年の中で自分の中で満足のいかないところがあったから、修正していくつもりです」
――カブスがレンジャーズ時代の専属捕手ジメネスとマイナー契約したことは、どう決断に影響した?
「(正捕手の)コントレラスの方がいいです(笑い)」
――常に新しいことを試す。今はどんな課題に取り組んでいるのか。
「もっといいピッチャーになりたいので、一つ一つの球種の精度を上げて、配球ももっと勉強したいと思います」
――それはチェンジアップ?
「チェンジアップとかももちろんそうですけど、例えば、カーブとか。もっと使っていくことになるのかなと思います」
――FA市場の動きが遅い理由は何だと思うか。
「なかなか進まないなあ、とは思っていましたけど。でも、エージェントの方も球団の方も、一生懸命お仕事をされていると思うので、僕が何か言うことではないと思います」
――2年目の終了後に残りの契約を放棄できる権利(オプトアウト)が入っているようだが。
「この時点では何もないです。シカゴでプレーするのがすごく楽しみ。今はそこは全く考えていないです。契約の細かいことについて話すのは賢明ではないと思うので。ここでなぜとか話すと、いろんなことを話さないといけなくなる」
――合意の報道が出たのは土曜日。何か理由は?
「キャンプの前に決めないと、他の選手に迷惑がかかったりするかもしれない。それは嫌だし、土曜日だったらメディアの人もあまりいないので。週末で家族のことでいっぱいいっぱいで。あまり注目されたくないから(笑い)」
――この決断に家族の反応は。
「奥さん(聖子夫人)は最初の方からカブスがかなり好きそうだった。シカゴの街もすごく気に入っていますし喜んでいます」
――レスター、ヘンドリックスら先発に好投手が多い。
「素晴らしいローテーションなので学べることがたくさんある。一緒にプレーするのがすごく楽しみ」
――チームで注目する選手は。
「シュワバー。(昨年のナ・リーグ優勝決定シリーズで)凄いホームランを打たれたので。どんなトレーニングをしているのかとか陰から見ておきます」
――今季の目標は。
「チームの和を乱さないのが一番。そこからワールドシリーズでもちろん優勝したいです」
――FA交渉の3カ月はどんな時間だったか。
「日本に帰ることもなかったので、毎年のオフシーズンに比べると、ゆったりした感じで良いオフだった。特に変な感じもなく」
――大型契約のプレッシャーは。
「さっきちょっとプレッシャーを感じた。それはでも、誰でも感じることだろうから。しっかりそれを力にできるようにしたい」
――カブスとの交渉に通訳なしで同席した理由は。
「どの分野においても自分が良くなる、次のステージに行く壁を破るのは、挑戦する心があるかどうか。挑戦する場に使ってしまって申し訳ないんですけど、英語のレベルをちょっと上げたいと。一回、場に入ってみようと思いました」
――今のドジャースへの思いは。
「ドジャースには本当に感謝しています。いいこと、学べること、自分のことで助けてもらったことがたくさんあった」