東洋大・杉本新監督 就任即V達成「高橋さんの残してくれた財産」 前監督と選手に感謝

 ◇東都大学野球春季リーグ戦最終週最終日 3回戦  東洋大9―0亜大(2018年5月31日 神宮)

<亜大・東洋大>3連覇を達成し、胴上げされる杉本監督(中央)(撮影・木村 揚輔)

 ナインの手で3度胴上げされた東洋大の杉本泰彦監督は淡々としながらも喜びをかみしめた。リーグ通算1部最多の542勝を挙げた高橋昭雄前監督からチームを引き継ぎ、今年2月の就任で即優勝。「高橋さんが残してくれた財産を馬なりにやらせて達成できた。選手に感謝しています」。

 社会人での指導が長く学生は未知の領域。しかも自らの恩師である前監督は東都を代表する名将だった。「逆立ちしたってかなわない。自分にしかできないことを」と頭脳派の指揮官らしく就任時にナインへ目標を書き込む「コミットメントシート」を配布。苦手なコースなど細かい課題を洗い出し、自らで考えることを促した。中川主将は「自分でやらなきゃ外されるという危機感を持った。練習の意識が変わった」と効果を語る。

 一方で、今季は上茶谷を全カード1戦目で起用。たとえ負けても「変えようとは思わなかった。“東洋は王道を進もう”という高橋監督の教えです」。数々のタフネス腕を育てた名将の教えを引き継いだ。「真摯に野球に向き合っている選手たちは東洋の誇り。その姿勢をなくしちゃいけない。良い伝統を残して新しい時代に向かっていく力になれば」と見据えた。