【槙原寛己 視点】大谷、走者いない場面でフォーム安定 ボールに力
◇ア・リーグ エンゼルス1―6タイガース(2018年5月30日 デトロイト)

中9日。ギアをローに入れて慎重に発進したエンゼルス・大谷は、最後にグッとギアを上げた。そんな印象を持った。
5回、カンデラリオを最後に打ち取った83球目の直球も指に掛かり、バットを押し込んでいた。特に走者のいない場面ではフォームが安定。球に力が伝わっていた。セットポジションだとややクイック気味になってしまうのだが、最後の場面は二、三塁で一塁走者を気にする必要がなく、軸足にグッと体重が乗った投げ方だった。
降雨中断中にもしっかり準備したのだろう。中断後は逆に球の質が良くなったほどだ。中9日など登板間隔が空くと体が軽く感じたりするものだが、投げていくうちにフォームが固まり、エンジンがかかった。3~5回の直球があれば、そう打たれることはない。その感覚を体に残したまま、次の登板へと調整できるのも大きい。