巨人ドラ1吉川尚 Qちゃんロードから新人王 最高条件で仮契約

 新人王への道は「高橋尚子ロード」から始まる。巨人のドラフト1位・吉川尚輝内野手(21=中京学院大)が、名古屋市内のホテルで仮契約を結んだ。

仮契約を終え、球団旗の前でバットを手に笑顔を見せる吉川尚

 契約金1億円、年俸1500万円プラス出来高5000万円の最高条件。1年目の目標として新人王を掲げた。

 「最初の頃は実感がなかったけど、このような行事が終わるたびに(プロ野球選手になる)実感が湧いてきます」

 初々しい表情を浮かべた吉川尚は、すでに動きだしている。「体力に自信がないので」と走り込み中心のメニュー。田んぼが広がる大学周辺の農道を1時間近くランニングし、その後もグラウンドに戻ると、ポール間ダッシュなどをこなす。

 大学がある岐阜には00年シドニー五輪の女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんの冠をつけた「高橋尚子ロード」がある。長良川沿いの2・5キロで、本人の靴や足形の石像もある。無名の時代、ひたすら走り込んだランニングコースだ。

 吉川尚も「機会があればぜひ走ってみたい」と胸を躍らせた。7月に岐阜遠征した際に高橋監督も練習日に「高橋尚子ロード」を走った。その指揮官からは「1年目から活躍することを楽しみにしています」と山下哲治スカウト部長を通じてメッセージを受け取った。

 背番号は球団の新人では初の「0」に決定。「0からのスタート。いい番号を頂けました」。本職は遊撃手だが、坂本がいるため、二塁へコンバートされる可能性もある。大学の先輩にはリーグを代表する二塁手の広島・菊池がいる。日本ハム・大谷、広島・鈴木と同世代で、夢は大きく侍ジャパンとした吉川尚。まずは走り込みで土台を築く。 (川手 達矢)