【中畑清 視点】江川とダブった菅野“省エネ投法” WBCで何かをつかんだ
◇セ・リーグ 巨人5―0DeNA(2017年5月2日 東京ドーム)

巨人・菅野は大人びた投球を覚えたね。序盤は全力で投げ込むDeNAのルーキー左腕、浜口に「そうじゃないよ」と言わんばかりに変化球を多投して打たせて取る投球。力感あふれる投球で三振を取りにいくこれまでとは違うスタイルだ。昔で言う「省エネ投法」。現役時代一緒にやった江川卓を思い出したよ。
立ち上がりは軽く流して終盤になってギアを上げる。この日の菅野はクリーンアップを迎えた6回から。前の打席で高めのつり球を中前に運ばれた筒香はインハイ152キロで追い込み、アウトロー149キロの真っすぐで見逃し三振に切った。この回から一人の走者も許さず、3試合連続完封勝利。日の丸を背負ったWBCから何かをつかんだ気がする。
去年は防御率2・01でタイトルを獲得しながら打線の援護に恵まれず9勝止まりだったけど、今年は早くも4勝。野手は打球を処理しながら攻撃のリズムをつくる。5点の援護は打たせて取る新スタイルが関係してるのかもしれない。一発さえ気をつければ連続完封はさらに伸ばせると思う。(スポニチ本紙評論家)