次は投手も…巨人・小林「勝負してくる」なめんな今季初V打

 ◇セ・リーグ 巨人4―1DeNA(2017年5月3日 東京ドーム)

<巨・D>2回2死二、三塁、小林は中前に2点打を放つ

 意地を見せた。1点を先制された直後の2回2死二、三塁。DeNAバッテリーは巨人・小林との勝負を選んだ。次の打者が投手の大竹寛だったが、試合前の小林の打率はリーグワースト2位の・158。

 「これだけ打てていないので勝負してくると思った」。新人・水野の外角スライダーを懸命に振り抜いた。力なく上がった打球は中堅・桑原の前にポトリ。執念が乗り移った逆転の2点打は、小林にとって今季初の決勝打になった。

 守備でも強気のリードが光った。6回1死一、二塁のピンチでは、筒香とロペスをともに直球で連続三振に仕留めた。「大竹さんも凄く気持ちが入っていて、僕も引っ張られた」。前夜は菅野の3試合連続完封という偉業をアシスト。この日は攻守にわたる活躍で2連勝、そして4カードぶりの勝ち越しに導いた。

 WBCでは侍ジャパンの並み居る強打者の中でチームトップの打率・450をマーク。時の人になったが、シーズン開幕後は打撃不振に陥った。だが、ここにきて4試合連続で安打を放つなど復調の兆しを見せている。

 4月21日の阪神戦(東京ドーム)から契約するZETT社製の新型バットを導入した。それまではWBCでも使った井端内野守備走塁コーチの現役時代のモデル。新たな相棒は85センチ、890グラムで長さも重さも変わらないが、ヘッド部分をくりぬいて重心を手元に近づけ、操作性を向上させた。同30日のヤクルト戦(神宮)ではこのバットから今季初打点が生まれた。

 ただ、試合後に高橋監督からは「もう少し打ってほしいね」と注文が飛んだ。小林も満足はしていない。「使ってくれる監督に感謝したい。必死な姿を見せていきたい」。師と仰ぐ阿部のような「打てる捕手」に成長することが最終目標だ。 (重光 晋太郎)