ロッテ・根元 引退試合で10度の胴上げ「感謝の気持ちしかありません」
◇パ・リーグ ロッテ3―8ソフトバンク(2018年10月7日 ZOZOマリン)

ロッテの根元俊一内野手(35)が7日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に「7番・左翼」でスタメン出場し、4打数無安打。ファンに現役最後となるプレーを見せた。
「日本一の千葉ロッテマリーンズのファンのみなさんが、歌ってくださる応援歌が大好きでした」
引退セレモニーでそう、感謝を述べると、場内一周では右翼席の前で立ち止まった。
「ラララ~ラララ~ラララ、ラララ~ 俺たちとこのチームでいつまでも 根元 今こそ見せてくれ 勝負に賭ける想いを」
「いつまでも」プレーしていたかったが、最後の夜が来た。「この応援歌を聞けるのは最後だと思い、長く聞いていたかった」と直立不動で受け止めた。そして、深々と頭を下げた。
ホームでは仲間が待っていた。10度、胴上げされた。「高校の時や2軍でも胴上げされたけど、きょうが一番、高かった」。1メートル77、77キロの体は高々と舞った。笑顔の舞いだった。
838試合で打った安打は583本。目だった記録やタイトルがあったわけではない。ただ、消化試合にもかかわらず、2万4532人が駆けつけた。長男が始球式を行い、試合後は花束をもらった。いくらでも涙腺が崩れる場面はあったが、根元は「涙は見せず、やりたかった。感謝の気持ちしかありません」と最後まで笑顔のまま、球場を去った。