稲葉監督、20年五輪へ「底上げ」 清宮&村上ら11人初選出
3月9、10日の強化試合・メキシコ戦(京セラドーム)に臨む侍ジャパンの28選手が18日、沖縄市内のホテルで発表された。来年の東京五輪、その先の未来をにらみ、初選出11人、平均年齢24・4歳というフレッシュな顔触れで、19歳の清宮幸太郎、村上宗隆両内野手も初選出となった。稲葉篤紀監督(46)は東京五輪金メダルへつながる「底上げ」をテーマに掲げた。
長く、高く続いていく道程を、稲葉監督は見据えていた。初代表11人というフレッシュな顔触れ。20年東京五輪へ向けて、このメキシコ戦を「選択肢を増やすためにも、試す最後のチャンス」と位置付け、選出した。
「本番までに不測の事態、想定外が起きる可能性もある。本番をイメージして呼ぶ選手や、20年以降のトップチームでの活躍を期待し経験を積んでほしいと呼ぶ選手もいます」
筒香、柳田ら常連組は見送り。日本野球協議会からは「東京五輪以降にもつながるチームの底上げ」も踏まえた人選を頼まれ、自らの意見とも合致した。「あの時、あの選手を経験させておけば良かったなという後悔がないように」と決めた。
目玉は異例の10代コンビ、清宮と村上という若き2人の大砲。清宮には「まだ1軍に生き残るかどうかという段階だが、打撃は非常にたけている。一度、僕の目で国際舞台で見たかった」と語った。東京五輪へ戦力たり得るかのジャッジは、対応力。「結果はそう意識しないが、内容は意識したい。外国人の動く球にどう適応できるか。凡打した後の切り替えはどうなのか」。2試合と限られた時間の中で目を凝らす。
もちろん、日の丸を背負う以上「勝利至上」の旗印は揺るぎない。「ジャパンは勝つ試合を常に届けたい。勝つために、このチームで自分がどんな役割で、どう生かすか。試されているのではない」。若き才能がどう覚醒するのか。可能性は無限大に広がっている。 (後藤 茂樹)