【東北野球がアツい!】金足農|冬合宿に潜入!

限界突破。新年早々に行われる金足農野球部伝統の「地獄の冬合宿」(今年は1月8日から13日まで秋田県三種町で行われた)は、自分の限界と戦う6日間である。強靭な肉体と精神に変貌している“雑草軍団”のとある1日に密着した。

ただ黙々と。己の限界に挑む冬合宿

朝5時起床、夜21時就寝の6日間。まだ日が昇らない真っ暗な冬空の下、4㎞のランニングと坂道ダッシュ13本から一日が始まる。気迫の足りない選手がいると、早朝から監督やコーチの檄が飛び交う。

【5:30-6:30】早朝ランニング

蛍光色の安全ベストを全員着用して出発!

真っ暗な一本道のランニングから一日が始まる。

監督や部長の車のライトの明かりを頼りに暗闇を走る。

坂道ダッシュでも気を抜くことは許されない。

朝食後は秋田県山本郡三種町の旧町営スキー場に移動。ここは勾配が急なのだが、その斜面を休みなく坂道ダッシュを続け、吉田輝星投手が現役時代に「一番きつい」と言っていた部員をおぶっての坂道ランニングなどを行なった。合間には金農伝統の「声出し」で仲間や自分自身を奮い立たせながら乗り切る姿が印象的だった。

【9:00-11:30】屋外トレーニング

今回初めて使用した旧中山スキー場。

坂道ダッシュは全員が13秒を切るまで続いた。

ポジション毎に分かれ、同じコースをひたすら走る。

金足農伝統の「声出し」で気合いを入れ直す。

最もきつい坂道ダッシュだが、脱落者はゼロ。

上りだけではなく、下りのコースも全力疾走。

雪の上でつかの間の休憩!


午後は体育館に場所を移し、基礎トレーニングを次々とこなす。

【13:20-18:00】室内トレーニング

昼食後は体育館まで4㎞の道のりをランニング。

10kgのウエイトを持ってスクワット。

体育館全体を使ったランニングも競い合い。

全面を効率よく使って各所で練習していた。

き、きつい…..思わず倒れこむ選手たち。

【18:30】夕食

この日の夕飯のメニュー。これ以外にもお代わりできるおかずも。

食事のときはこの笑顔! たくさんおかわりして明日の練習に備える。

この日は昨夏の甲子園大会準優勝の立役者となった佐々木大夢前主将の姿もあった。佐々木前主将は「夏の甲子園でも終盤の苦しい場面で冬合宿を思い出し、猛練習をやり遂げたことが精神的に大きな支えになった」と話したが、過去には夏の秋田県大会の決勝で10点差を逆転して優勝するなど、ここ一番の苦しい場面では「冬合宿」という言葉で鼓舞し合い、勝負強さを発揮するのが金足農野球部の伝統である。

壮絶を極めた猛練習の冬合宿は6日間で終わるが、中泉監督は「きつい練習を乗り越えてゴールではなく、このあとが大事」と、冬合宿を乗り越えた彼らに大いに期待していた。

(取材・写真:松橋隆樹)

*次回「金足旋風3つの理由」に続きます。

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