イチロー 514日ぶり盗塁 メジャー生き残りへ加速

 ◇オープン戦 マリナーズ4―2ロッキーズ(2019年2月24日 スコッデール)

2回1死一塁、二盗に成功するイチロー(撮影・会津 智海)

 マリナーズとマイナー契約で招待選手のイチロー外野手(45)は24日(日本時間25日)、ロッキーズ戦に「6番・左翼」で出場。オープン戦出場2試合目で、昨年は一度もなかった盗塁を決めた。2回に四球で出塁し、二盗に成功した。マーリンズ時代の17年9月28日のブレーブス戦以来、514日ぶりの盗塁で、バットに続き、足でもメジャー生き残りへアピールした。

 2回の第1打席、四球で出塁したイチローは相手右腕グレイの大きなモーションを狙っていた。次打者の2球目にスタート。二塁到達まで3・30秒で、悠々と二塁を盗んだ。

 「全然(足が)進んでいないです。いつも通り、この時期はそんな進まないです」

 17年9月28日のブレーブス戦以来、514日ぶりの盗塁。成功の確信を持ってスタートしたが、調整途上との認識を口にした。オープン戦で前回盗塁を決めたのは、17年3月29日のアストロズ戦で開幕目前だった。本来、オープン戦序盤は無理をする時期ではない。ただ、昨年はオリックス在籍の94年から24シーズン続いた盗塁が途切れた。加えて今年は45歳の招待選手という立場。走れることを見せる必要もあった。

 スコット・サービス監督は「この時期はみんなグリーンライト。イチローが何ができるかは分かっている。今日は楽しませてもらったよ」と衰えを感じさせない健脚を称えた。

 第2打席は空振り三振で、この2打席で退いた。実戦初出場となった22日のアスレチックス戦での2点適時打に続き、走と攻でアピール。守の見せ場はなく「それはしようがない」と次戦以降へ持ち越した。3月20、21日の日本開幕戦(東京ドーム)だけでなく、シーズン完走を見据える。華麗な守備と強肩を披露する準備も、もう整っている。