吉田輝&柿木 荒々しさを消さずに洗練を 日本ハム首脳陣の配慮

 日本ハムの沖縄キャンプでのブルペン。ドラフト1位・吉田輝(金足農)、同5位・柿木(大阪桐蔭)の帽子を飛ばすほどの投げっぷりに目がいった。甲子園優勝投手の柿木は安定感が光っていたが、吉田輝は制球が乱れる場面も多かった。それでも指にかかった時の直球の威力は魅力的で、木田優夫投手チーフコーチが「GM補佐時代の4年間で見た高校野球の投手で真っすぐは一番だった」という言葉もうなずけた。荒々しさの中に磨けば光るものが感じられた。

日本ハム2軍キャンプのブルペンで力投する吉田輝(左)と柿木(撮影・西海健太郎)

 一方でベテラン右腕・金子(前オリックス)のように捕手の構えたミットに寸分の狂いなく制球よく投げ込む姿も印象的だった。こちらは自身のフォームを確立した熟練の技。大リーグ担当時代に取材したヤンキース・田中のブルペンも力感なくバランスや制球を意識して投げ込む姿が印象に残っている。吉田輝もそういった意識はあるようで「軽く投げたときの方が球質はいい。力が入っていないようなフォームを目標にしている」という。

 吉田輝や柿木には、首脳陣にもすぐにいい意味での荒々しさを消さないような配慮がある。木田投手チーフコーチは自己最速152キロから3キロ増となる155キロを目指す吉田輝に「俺のMAXは156キロだったから157キロだな」と持ち味の直球にさらに磨きをかけることを期待する。ルーキーイヤー。荒々しさを残しつつ、どこまでプロの世界で洗練されていくのか。成長していく過程を届けていきたい。(記者コラム・東尾 洋樹)