ロッテ藤原の好走塁 加速力&決断力に加わった「一歩分」広げたリード

 ◇オープン戦 ロッテ9―3中日(2019年3月3日 ナゴヤD)

3回1死一、三塁、中村の逆転となる中越え2点適時二塁打で、一塁走者・藤原は本塁に滑り込み生還する(撮影・椎名 航)

 【追球ズーム ここにFOCUS】1点を追う3回1死一、三塁。ロッテのドラフト1位・藤原(大阪桐蔭)は一塁走者だった。中村奨の左中間二塁打は目視できる。「抜けるかなと思いました」。スピードを緩めずフェンスに当たった時には二塁ベースを蹴っていた。50メートル5秒7。本塁クロスプレーにさえならなかった。

 視界には入っているが、遠ざかっていく打球だけに距離感はつかみづらく、決断力が求められるプレーだ。「加速力は凄い。スピードだけならすぐにも通用する」と大塚外野守備走塁コーチ。ただ、決勝の生還を果たせたのは加速力や決断力だけではなかった。

 「リードは一歩分広がりました」。一塁ベースからアンツーカーの端まで約4メートルだが、藤原の両足は完全に出ていた。高校時代のリードは約3・5メートル。キャンプを通じたプロの練習で50センチも広げ「一歩分」がフェンスに当たったときに二塁を回っていた理由でもある。

 この出塁は中日・ロメロの151キロ直球を捉えた中前打。「プロの球を徐々にはじき返せてきました」。自信のある走塁に加え、打撃でも成長している。 (福浦 健太郎)