球春到来!「東京スポニチ大会」でデビュー“G岡本と同級生”セガサミー・吉田捕手に注目
球春到来を告げる社会人野球のシーズン最初の公式戦「第74回JABA東京スポニチ大会」が11日に開幕する。神宮球場、横浜スタジアム、岩槻川通の3会場で、予選リーグから4日間の日程で16チームが参加。優勝チームには日本選手権の出場権が与えられる。
新人選手の公式戦デビューともなる大会。昨夏都市対抗で創部初の4強に進み、今大会に出場するセガサミーには中央学院(千葉)で「4番・投手」として一躍全国区となった大谷拓海ら期待の新人が加入。そんな中で元ロッテの初芝清監督に有望株を尋ねてみると「吉田がいい。大学の時より良いプレーを見せてくれているし、打撃も逆方向へ長打を打てる。対応力が高い」と上武大から加入した吉田高彰捕手の名を挙げた。
吉田は「捕手なので守備が第一。打撃はあまり自信がないが、期待に応えられるようレベルを上げていきたい」とはにかむ。智弁学園(奈良)時代は岡本(現巨人)らと3年春夏の甲子園出場。上武大では1年から正捕手の座をつかみ、2度の侍ジャパン大学代表入りも果たした。大学4年時にはドラフト候補として注目されたが「まだ力不足」と志望届は出さずに社会人へ進むことを決めた。
学生野球の7年間は苦しいものだった。高校で厳しい練習に耐え、大学では「下級生の時はきつくて本当に辞めたいと思ったこともありました」。しかし社会人に進んだ今「大学では1年から使っていただき、厳しいことも含めて乗り越えてきたのが今の自信になっている。智弁学園、上武大と進んで良かったと思う」と感謝する。
憧れの捕手は城島健司氏。城島が阪神でプレーしていたころは、奈良から甲子園まで応援に行ったこともあったという。同級生の岡本の活躍にも刺激を受ける。「こんなすごいスター選手と、本当に一緒にやっていたのかなと思う。手が届かない所に行ってしまった」と苦笑いしながら「いつか同じ舞台でやりたい」と闘志を燃やす。
「信頼感を高めて、トータルで勝てる捕手になりたい」。名門を渡り歩いて培った不屈の心で、社会人の舞台に挑む。(記者コラム・松井 いつき)