【スポニチ大会】東芝・岡野が完封一番乗り!石巻出身「絶対勝ちたかった」

 ◇第74回JABA東京スポニチ大会予選リーグ 第1試合Cブロック 東芝2―0JFE西日本(2019年3月11日 横浜)

<JFE西日本・東芝>力投する東芝・岡野(撮影・西海健太郎)

 9回2死一、二塁。東芝の岡野祐一郎投手(24)は渾(こん)身の力でフォークを投じた。昨季社会人ベストナインに選ばれたJFE西日本・三木のバットが空を切る。今大会完封一番乗りに胸を張った。

 「チームを背負って最後まで投げるつもりでしたから。嫌な流れはあったけどギアチェンジできた」。6回1死一、二塁は代打・橋本を142キロで見逃し三振。最終回の三木の3球目、通算135球目には146キロを計測。最後までスタミナ十分だった。

 被災地の宮城県石巻市出身。昨年の3月11日の東京ガス戦も先発して7回2/3を無失点しており、2年連続勝利投手となった。「この日に投げられたことは意味がある。だから絶対勝ちたかった」。実家は津波で浸水し、リフォームを余儀なくされた。「両親がスタンドに来ているんです。良かった」と話した。

 入社3年目。昨秋のドラフトは指名漏れしたが、プロを諦めた訳ではない。「自分の目標はプロ。今後も結果を出していきたい」。11球団スカウト陣が見守る中で、今秋のドラフト候補の左腕、河野に投げ勝った。刺激材料もある。青学大の1学年上だったオリックスの吉田正が侍ジャパンの強化試合、メキシコ戦で大活躍した。「正尚さん、凄い」と目を丸くした。