松井稼頭央 胴上げ7度で引退…遊撃位置に手を置き別れ「最後にありがとう、と」
◇パ・リーグCSファイナルステージ第5戦 西武5―6ソフトバンク(2018年10月21日 メットライフD)

今季限りで現役を引退する西武・松井稼頭央外野手(42)が、ついにラストゲームを迎えた。
CSファイナル第5戦は5―6で黒星。松井が「うれし涙をとっておく」と話していた日本一を目指す舞台への出場はならなかった。
試合後、最終戦のセレモニーが終わると場内一周。その際に松井は、左翼スタンド前でナインの手で背番号と同じ7度、胴上げで宙を舞った。
「まさか、胴上げをしてもらえるとは思わなかった。感謝している」
最後は一人で左翼のファンにあいさつ。戻る際には遊撃の位置でグラウンドに静かに手を置いて、25年間の現役生活に別れを告げた。
「僕が西武に入団して、ショートとして育ててもらった場所。現役として最後に“ありがとうございました”と…」。ヤンキースのレジェンドであるデレク・ジーターが引退した際を思わせる、感動的なシーンだった。
CSではベンチ入りしたものの試合出場はなし。「準備だけはしっかりしようと思っていた」と、この日も練習では最後までグラウンドに残ってボールを追っていた。
来季は2軍監督就任が確実。「本当にいいチームだった。終わりというのが、まだ信じられない」。松井はそう話して、帰りの車に乗り込んだ。