【高校球児のための大学野球部ガイド】和歌山大学硬式野球部、選手座談会!
大原弘監督インタビュー、二田幸洋キャプテンインタビューに続く取材の最後は恒例の選手座談会!檜尾一平選手、大城勇真選手、金谷温宜選手の3名に和歌山大学を選んだ理由、大学生活などについてお話を聞きました。球児の皆さんは大学野球の参考に!
野球を続けるなら勉強もやって全国大会に出たかった
座談会メンバー
檜尾一平(写真左:新4年/向陽高校出身)、大城勇真(写真中央:新3年/沖縄尚学出身)、金谷温宜(写真右:新2年/創志学園出身)
——和歌山大に入学しようと思った理由を教えてください。
檜尾「自分は地元出身ですし(和歌山・向陽高)、監督さんと元々知り合いで、大学で野球をするならここだと思っていました」
大城「僕は高校では勉強もできる方だったので、大学では野球を続けるなら勉強もちゃんとやって全国大会に出たいと思って大学を探していました。自分が高校3年の時に(和歌山大が)全国大会に出ていたので、自分も行きたいと思いました」
金谷「きっかけは、高校の1年上の先輩が和歌山大の野球部にいて、考える野球が今までと違う野球をやっていておもしろそうだと思いました。国立大学ということもあり、挑戦してみたいと思ったんです」
——実際に入ってみて、雰囲気はどうですか?
檜尾「自分が入学した時からそうだったので、先輩方から代々伝わっている雰囲気なんだと思います。1年生の時4年生から積極的に話していただいて、とてもやりやすかったです」
——檜尾君は実家通学ということですが、2人は1人暮らしですか?
大城「はい。近くでアパートを借りています」
金谷「自分も同じです!」
——大城君は沖縄から来て(沖縄尚学出身)、慣れないことも多かったのでは?
大城「はい。3月に初めて来たのですが、寒すぎて暖房つけながらジャンパーを着て寝ていました。水道の蛇口をひねったら、すごい冷水が流れてきてビックリして…(笑)」
金谷「自分は高校も寮だったので、洗濯や掃除など身の回りのことをこなすのは問題なかったのですが、自炊が面倒で…。バイトをする時期はまだ良いのですが」
——主にどんなアルバイトをしているのですか?
檜尾「飲食店が多いです。まかないが付いていることが多いので」
金谷「結構そこは大事ですね(笑)」
大城「自分は焼肉屋さんでバイトしています。まかないでお肉が食べられるので、それを聞いて始めたのもあります(笑)」
金谷「僕は居酒屋です。酔ったおじさんに話しかけられることもありますが、それはそれで楽しいです」
檜尾「自分も居酒屋です。居酒屋は結構居心地がいいんです」
大城「自分は沖縄出身で、動きが遅いってよく言われます。店長に“もっと早く動いて”って最初の頃は言われていました(笑)」
金谷「僕の学年にも同じ沖縄出身の選手がいますが、本当にマイペースです。高校時代(創志学園)にはいなかったですね」
檜尾「自分らの高校にもいなかったです(笑)」
——授業、練習、そしてバイトとなると、なかなかハードな1日ですね。
金谷「高校時代は野球漬けでしたが、大学に入ってから色んなことをやれるので、先輩に助けてもらいながらここまでやって来られています」
——檜尾先輩もすごく頼りになる?
檜尾「いや、自分はそこまで頼りになる先輩ではないですよ(笑)」
大城「自分は最初、すごく緊張していたんですけれど、檜尾さんはすごく話しかけていただいたんです。お陰で和歌山に来て丸2年、すっかり慣れました」
国立大学でも全国で勝てることを証明したい
——和歌山大野球部の良いところを3点挙げるとしたら?
金谷「この中で一番学年が下の自分が言うと、いい意味で上下関係がないところです。下級生でも自分の意見が言えるんです。意見が出やすいのでチームとしての意見が出るのは良いと思います」
檜尾「それと、高校の時以上に野球以外のことを色々と教えてもらえます。例えば、自分がよく言われるのは監督さんから“身の回りのことが野球に繋がるんだよ”と。玄関では靴を並べるとか、気づいたことを進んでやっていくことの大切さをあらためて感じました」
大城「全国を代表するような選手がいる訳ではないのに、それでも勝てる野球ができるところです。レベルは高いとは言えないですが、他の大学では輝けなくても、エンドランがうまいとか、投手はけん制やフィールディングがいいとか、そういう特徴をしっかり活かして試合に出られるんです。それに指導者の方ともコミュニケーションをよく取るので、目上の方ともきちんと話せるようになりました」
——高校時代に戻れるとしたら、いつ頃に戻りたいですか?
檜尾「自分はやっぱり3年生の夏の大会の直前ですね。キツイ練習が終わって、最後の夏、という時期が一番いいです(笑)」
大城「自分たちの学年が唯一、3年間で一度も甲子園に出られなかったんです。3年生の春は県で優勝したのに夏はあっさり負けてしまったので、やっぱりその直前ですかね…」
檜尾「(金谷君を見て)この中で唯一甲子園に出ているんやから、思い残すことはないやろ!」
金谷「いや、ありますよ! 自分達は日本一を目指していたので、夏の甲子園の初戦で勝って、いつも練習試合で勝っていた下関国際に2回戦で負けたことは悔しかったです。強豪校とたくさん練習試合をして、自信を持って挑んだ夏だったので…。でも、戻りたいかと言われたら、勝てると自信を持っていた中国大会で負けた2年生の秋ですかね」
檜尾「それは贅沢ですね(笑)。甲子園に出ているのは羨ましいです」
——今年の目標を教えてください。
檜尾「自分は入学してすぐにチームが神宮大会に出場して、いきなり神宮大会の雰囲気を味わわせてもらったのですが、それ以降は全国大会に出られていません。神宮大会を知らない世代をなくしたくないので、今年は絶対にリーグ優勝して神宮に行きたいです」
大城「自分も行きたいという気持ちは強いです。1年生の秋にリーグ戦で優勝して、2年の春も秋もリーグ戦では2位。1位が見えている中で優勝できていないので、今年こそ優勝したいです」
金谷「自分は1年春からベンチに入れさせてもらっていて、あと1勝で全国を逃した悔しさを味わっているので、今年はリーグ戦で優勝して国立大学でも全国で勝てることを証明したいです」
(取材・写真/沢井史)br />