【特別企画】源田壮亮選手の自主トレに密着!!
2017年のルーキーイヤーから正遊撃手として活躍する源田壮亮選手。 2018年、2019年と2年連続でゴールデングラブ賞を受賞するほど高い守備力を持つ。今季からキャプテンとなる源田選手の自主トレに密着し、シーズン前の「こだわり」を探った。
「シーズンオフに重要なことは体の動きを呼び戻すこと」
球界で1、2を争う守備力は細かなこだわりの集合体だった!
1月中旬に、トヨタ自動車のスポーツセンターで約2週間の自主トレを行った源田選手。社会人野球選手時代にプレーした思い出の地で自主トレをスタートさせた。今回このコラム記事を作成するにあたり、源田選手の動きを細かく取材していくなかで、とくに印象的だったのは源田選手が、守備の基本練習を大切にされていたこと。
「シーズン中は当然、試合の日が多くて移動日もたくさんあります。毎日基本練習に時間を割くことができません。だから、シーズン中は技術的な部分や気持ちの整理に重点を置き、オフの間に基本動作を徹底して繰り返しています。そうしてもう一度、身体に基本を染み込ませているんです」。
この基本練習こそが、球界を代表する守備力を支えているのだ。
ボールとの間合い、距離感、グラブを出すタイミングなど源田選手は守備に対して細かいこだわりを持っている。なかでも脚の使い方は人一倍気を遣っているようで、「捕球と送球を一連の動作にすることで肩ひじの負担が減ります。肩ひじは消耗品だと思うので、長く野球を続けようと思ったらそういう部分にも気を配らないといけません。代わりに脚をしっかり使うこと。守備に関してはそれが1番、理に適ってると思います」と語ってくれた。
「守備は間違いなく数を捕ることが大切。まったく同じ打球やプレーは二度とないけれど“このバウンド見たことあるな”“この打球はここで捕る”という感覚を大切にプレーの引き出しを増やしてきました。そういう準備をすることで捕球への一歩目が早くなったり、走塁のスタートが良くなることにもつながります」。
日頃のノックや打撃練習から自チームのバッターのバットの軌道をよく見て分析して、打者のタイプを理解するところから始めよう。
源田選手が大切にしているポイントはこれ!
【Point1】ノックでは捕球と送球が一連の動作になることを強く意識する
「僕の場合、捕球時に右足を着くタイミングを大切にしています」と源田選手。そのタイミングを打球に合わせるためにとにかく多くのノックを行っていた。ボールを捕るために打球に合わせるのではなく、正確な送球に繋げるために打球に合わせる。捕球と送球が一連の動作になることを強く意識していたのが、とても印象に残った。

【Point2】体の動きを呼び戻す毎日のトスバッティング
右手だけで打ったり、左手だけで打ったりとバットのヘッドを返す位置やバットの軌道を確認しながらのトスバッティング。このトレーニングはシーズン前だけでなく、シーズン中も繰り返し行っているという。「身体の状態は、重たい日もあれば軽い日もあるなど、毎日変化する。だから、この練習は、同じことを繰り返すことで身体の状態を把握し、体の動きを整えることに繋がる」と源田選手は語る。

【Point3】テニスボールを使って正確な捕球を体にたたき込む!
プロ野球選手の打球はとにかく速い。無駄な動きがあるとエラーしやすくなったり、ボールが捕れずヒットにつながってしまう。テニスボールをキャッチする練習は、捕球の正確性を高めるもの。ボールが柔らかいので、脱力してグラブの芯に収めないと捕球できない。「ボールと衝突しないように。ボールの力を吸収するように」という部分を意識しながら、練習に取り組んでいる。

源田壮亮 Sosuke GENDA
1993年2月16日生まれ。大分県出身。小学3年生からソフトボールを始め、中から野球に転身。大分商業高校、愛知学院大学、トヨタ自動車を経て、2016年ドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団。179cm・75kg。右投左打。