「日本人はチームワークが得意」は間違っている!?ビジネスマンがスポーツから学ぶべき、本当のチームづくり【PR】
【株式会社Canvas 髙橋勇紀×チームビルディングエキスパート 福富信也 対談】
デジタルマーケティング事業を中心に展開する株式会社Canvasが、新たにスポーツを通じた事業をスタートしました。同社は、スポーツが持つ“人を育てる力”に着目し、HR領域を軸とした組織・人の成長支援サービス『BuilDoor(ビルドア)』を提供。講師が一方的に知識を教えるのではなく、参加者と共に学び、成長していくことを目標としています。
今回、株式会社Canvas スポーツビジネス事業部統括責任者の髙橋勇紀さんと、『BuilDoor(ビルドア)』でファシリテーターを務めるチームビルディングエキスパートの福富信也さんの対談が実現。事業がスタートしたきっかけからお二人が考えるスポーツの価値、日本社会が抱える課題について語っていただきました。
スポーツが秘める可能性を信じて、日本社会が抱える課題の解決へ
ー今回、株式会社Canvasが『BuilDoor(ビルドア)』をスタートさせた経緯を教えていただけますか?
髙橋 もともとCanvasはデジタルマーケティングを軸に事業を展開してきたのですが、1年半前に新たにスポーツビジネスに取り組む部署を立ち上げました。
もともと日本のスポーツ界にある『やりがい搾取』の現状を変えたいと、数年前からずっと考えていました。スポーツ業界で働いても満足な対価が得られないことは多く、雇う側も働く側も「楽しいことだし低賃金でも良いかな」と感じる現状があったかと思います。スポーツ本来の価値が低く見られているような気もしていたんです。そんな中、弊社代表の小黒(聡)とサッカーを通じて出会いました。お互いスポーツに育てられてきたこともあり「スポーツビジネスなら残りの人生をかけて情熱を持って挑戦できるのではないか」と意気投合したことがすべての始まりです。
私自身がスポーツから学んだ人材育成やチームビルディングをビジネスに活かした実体験を持っています。そうしたスポーツの知見を掛け合わせて一般企業向けの事業を創っていこうと考えました。最終的には選手個人のセカンドキャリア問題やチームが抱えている課題解決にも繋げていきたいと考えています。
ー福富さんはこの事業のどういった部分に共感されたのでしょうか?
福富 もともと、コミュニケーション能力や粘り強く取り組む力、課題解決力など、数字で測れない非認知能力を身につけることができるスポーツの価値がないがしろにされていることに、ずっと違和感がありました。そんな中、髙橋さんからお声がけいただき、“スポーツには社会課題を解決するヒントが詰まっている” という共通認識のもと、日本のスポーツが抱える課題にアプローチしようという取り組みに共感しました。
ーもともと福富さんはスポーツの現場でコーチからキャリアをスタートされていますよね。現在の活動を始めたきっかけを教えていただけますか?
福富 僕がチームビルディングの指導者を志すきっかけになった出来事が3つあります。一つは、大学時代に1年間ロンドンに留学をしていたときの経験です。
当時、私は現地のサッカーチームに加入してプレーしていました。そのチームは、黒人が8割、白人が2割、アジア人は僕だけというチーム。あるとき、190センチくらいある大柄な2人が練習中に大喧嘩を始めたんです。
それを見ていた当時の私は、「これはしばらく気まずいな、周りにいる自分たちも気を遣わないと…」と思っていました。しかし、練習が終わってクラブハウスに戻ると、さっきまで大喧嘩をしていた2人が仲良く肩を組みながらランチを食べていたんです。
ビックリして話を聞くと、「あれはムカついたけど、こいつのことは人として大好きなんだよ」と。これは日本じゃ絶対にない光景だと思いましたね。この清々しさは日本に持ち帰るべき文化だなと強烈に思った瞬間でした。
2つ目も学生時代の話です。私が卒業した信州大学教育学部には、野外教育という専攻があるんです。そこでは自然の中で遊びを考えたり、登山やキャンプをしたり、野外・アドベンチャー教育を通して人間としてのたくましさや工夫する姿勢、チームワークを学びました。
何もないところから遊びを創り出したり、みんなが楽しむためにはどういった工夫が必要か考えたり、日本の中でも先駆けとなる教育分野でした。2泊3日で北アルプスに登ったり、雪山で穴を掘って寝るとか、サバイバルなことをしていると、バックグラウンドが全然違う人ともすごく仲良くなれるんです。しかも「仲良くなる」のレベルがひと段階違います。
もちろん過酷な状況で寝食を共にするとなると、嫌いなところやムカつくところもたくさん出てきます(笑)。ただ、それすらも受け入れて、“本当の仲間”になっていくんです。大学院を含めた6年間で、チームのあるべき姿を知ることができましたね。
3つ目は、僕自身がサッカー選手として経験したことです。とあるチームではスタメンを外されるとふてくされて、ベンチにいても全然チームを応援する熱量が上がらない自分がいました。一方で、移籍したあるチームでは、ベンチスタートでも前のめりで応援して、ピッチにいる選手に水を届けることもしていました。
次第に「同じ一人の人間のはずなのに、どうしてこんなに振る舞いが違うんだろう?」と考えるようになったんです。自分が必要とされていると感じられるかどうかによって、誰しもが熱量をたぎらせてチームのために頑張れる可能性があるんだと思うようになりました。
ーその後、コーチとしてのキャリアはどのように進んでいったのでしょうか?
福富 大学院生時代に長野の街クラブ・裾花FCでコーチをしたのが始まりです。そこで恩師である丹羽洋介さんと出会いました。丹羽さんはサッカー元日本代表で、裾花FCを立ち上げた方です。そこで子どもたちと一緒にチームビルディングのあれこれを試しました。時には中学1年生を雪山に連れて行ったりもしました。そうしたらタイトルとは無縁だったクラブが、途端に強くなっていったんです。
その様子を見ていた丹羽さんが、「あなたの指導は日本のサッカーを変えるかもしれない!」と、日本サッカー協会の川淵三郎さんや田嶋幸三さんを紹介してくださいました。そこからすぐに世代別代表の合宿などに帯同することが決まりました。
当時は山口蛍や柿谷曜一朗、齋藤学らが13~14歳くらいのときですね。そこからJリーグのアカデミーやトップチームでの経験を経て、今があります。
「自分たちのプラン通りにいくわけがない」スポーツとビジネスの共通点とは?
ーこれまでスポーツの現場で取り組んでいたチームビルディングが、ビジネスの世界でも活かせると考えるようになったきっかけなどはあるのでしょうか?
福富 はっきりと言うのはなかなか難しいですが、10年以上前からスポーツは絶対にビジネスのヒントになるだろうとは思っていました。先日のセッションでもお話しましたが、ビジネス界で浸透しつつある「VUCA(※)」という言葉は、まさにスポーツにも当てはまる概念です。連続して変化が起きていて不確実性が高く、正解といえるものがないのがスポーツですからね。
※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という単語の頭文字を集約した概念
とくにサッカーは、足でボールを扱っていたり、邪魔をしてくる相手がいたり、自分たちのプラン通りになんていくわけがありません。そういった意味で、スポーツとビジネスが置かれている環境はすごく似ていると思っています。
ーこれまでさまざまな人や組織を見てきたと思います。それらを踏まえて、日本のビジネスパーソンの特徴はどういった部分なのでしょうか?
福富 「日本人はチームワークが強みだ」とよく聞きますが、それは誤解で、本当に得意なのは『集団行動』です。みんなで同じことをやることが得意なだけ。チームワークは全く得意ではないと思います。
チームワークというのは、個々が違った役割を果たして補完しあいながら、なおかつ自分の強みを生かしてシナジーを起こしていくことです。その過程の中で、お互いを理解しあうためのディスカッションをする必要があります。
しかしこれまでの日本社会では、黙って指示されたことを忠実にこなす従順さが求められているように感じます。これは “偽りの平和” とも言えますよね。
ー先日のセッションでも参加者同士で議論する時間が多く設けられていました。その際、福富さんは議論には介入せず、その様子を見守っていた姿が印象的でした。
福富 あくまでも自分は話題提供者でしかないと思っています。偶然から生まれる学びがいちばん面白いので、こちらから「こういう議論をしてください」と伝えると、予定調和のディスカッションになってしまうんですよね。
これは髙橋さんとも話しているのですが、僕を含めた全員で学び合う場にしたいと思っています。チームのつくり方に正解はないけれど、みんなで疑問を持ち寄って一緒に考えて、なにか正解らしいものが出せたらなと。バックグラウンドの違う人たちが集まっているので、それだけで面白い話は出てくるはずです。
ー福富さんがおっしゃるとおり、先日のセッションでは業種や立場の異なる参加者が三人一組になってグループワークを行いました。セッションを通じて、参加者の皆さんにどのような変化があったと感じていますか?
髙橋 スポーツを題材にしているということで、感覚的な内容が多いのではないかという先入観を持って参加された方もいらっしゃいました。そんな中、福富さんがチームビルディングの本質的な部分を言語化して伝えてくださったので、すごく腑に落ちたという方が多かったです。
福富 スポーツもビジネスも根本は同じなので、何から学ぶかが違うだけだと思います。一流の経営者がサッカーチームの監督をやったら結果を残せるだろうし、その逆も然りだと思います。スポーツが好きな人は偉大な監督の本を、一方でスポーツに興味のないビジネスパーソンは結果を残した経営者の本を開くと思います。
「これからスポーツの価値はもっと高まっていく」
ーこのセッションに参加するのは、企業でも上層部のレイヤーにいる方が多いかなと思います。そういった人たちに、スポーツの本質的な価値を知ってもらいたいという思いもあるのでしょうか?
髙橋 そうですね。まだまだ日本では、“体育とスポーツ ” つまり “集団行動とチームワーク” の違いが理解されていない現状があります。この取り組みを通じて、本質的なスポーツの価値を知ってもらいたいですし、そこに対して真っ当な対価を払っていただけるようになる流れが理想です。
福富 スポーツ界で結果を残しているリーダーには、共通している部分が絶対にあるはずです。それをきちんと言語化して、再現性のある状態で皆さんに取り入れてもらえるようにすることが、僕の仕事かなと思っています。
ー今後は個人だけでなく、チームとも連携して取り組みを展開されていくとのことですが、具体的にはどういった形を想定しているのでしょうか?
髙橋 今後はスポーツチームのクラブハウスや合宿所などに企業の皆さんを招待して、そこで学びの場を提供したいと考えています。プロスポーツ選手が切磋琢磨している非日常の空間で、監督やコーチ、選手にも参加してもらいながらチームビルディングについて考える機会をつくろうと思っています。この取り組みを通じて、チームと企業のマッチングの機会になればいいなとも思っています。
ー逆にスポーツ界にいる指導者や選手の皆さんは、どのくらいスポーツの価値に気づいているのでしょうか?
福富 これまでスポーツの価値が上がってこなかったのは、本来の価値を理解できている人が少なかったからだと思うんです。
アスリートは身体で表現するのが職業なので、いちいち言葉で表現する必要がなかったわけです。だからそれに甘んじていたのだと思います。プレーを見れば人は感動するし、勇気をもらえる。身体だけで十分表現できる職業だったというのは事実ですよね。
そういった背景もあり、スポーツならびにその経験者の良さや強みを言語化してこなかった、ということです。“理不尽に耐える力”や“絶対的な上下関係” ばかりにフォーカスしてきたことが、スポーツの価値を高められなかった原因だと思います。
髙橋 スポーツに関わる人と話していても、競技レベルの話題になることが多いと感じますね。サッカーが上手い、野球が上手い。そこでマウントの取り合いばかりをしていて、もっと別の部分で価値があるのにな、と思うことも少なくありません。
ー今後も複数回にわたってセッションが開催されます。最後に、どのような人に参加してほしいか聞かせていただけますか?
髙橋 すぐ正解を求めるのではなく、いつか役に立つかもしれないという中長期的な視点で、人生を豊かにしていきたいという人に参加してほしいです。IT技術の進歩が進み効率化が求められる現代社会において、心を豊かにする力がスポーツにはありますし、その価値はもっと高まっていくと思います。そういった意味で、スポーツにあまり興味がない人にもぜひ参加してもらいたいですね。
福富 違う世界の人の話を聞くことが楽しい、と思える人に来てほしいですね。正解がないことに対してみんなで疑問を出し合って、モヤモヤする。それでいいんじゃないかなと。お菓子を食べながら、BGMを流しながら、コーヒーを飲みながら…とにかく自由な雰囲気で全然良いと思っています。
今後のプログラムについて
6、7月のセミナーは計5回実施。テーマに合わせて元プロサッカー選手、監督からお話を聞くだけではなく、ディスカッションを行い共に成長する学びの場となっております。
【第1回】6月7日(金) スポーツから読み解く チームワークの本質① ゲスト:石原孝尚(元INAC神戸監督)
【第2回】 6月14日(金)スポーツから読み解く チームワークの本質② ゲスト:田邊友恵(サンフレッチェ広島レジーナユース監督)
【第3回】 6月28日(金)チームのなかで自分らしく輝くための 自己理解 ゲスト:石川直宏(元サッカー日本代表)
【第4回】 7月19日(金)チームの力を引き出す マネージャーの仕事①成長支援 ゲスト:狩野倫久(U20日本女子代表監督)
【第5回】 7月26日(金)チームの力を引き出す マネージャーの仕事②目標達成 ゲスト:永田聡典氏(立正大学)
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