【報徳学園】切磋琢磨した3年間、名門牽引したWエース

ともに下級生の頃から報徳学園の投手陣を牽引してきた今朝丸裕喜選手と間木歩選手。今年は揃ってU18侍ジャパンにも選出されるなど、全国でも屈指の二枚看板であることは間違いない。そんな2人に高校野球を振り返ってもらいながら、将来のことなども聞いた。(聞き手:西尾典文)

一番上の代になってから互いに意識

——報徳学園を選んだ理由、きっかけを教えてください。

間木「小園(海斗・広島)さんが活躍していた甲子園をテレビで見ていたことがきっかけです。中学のチームの先輩も報徳に進学していて、それで自分も行きたいなと思って決めました」

今朝丸「自分も間木と同じで、小園さんの活躍を見てというのは大きかったです。それで自分も報徳で甲子園に行きたいと思うようになりました」

——実際に入ってみての印象はどうてしたか?

間木「厳しいイメージがあって、それはその通りだったんですけど、厳しいだけじゃなくて、しっかり細かいところまでやるというか、きちんとした野球や練習をやるなと思いました」

今朝丸「練習はきついというのは聞いていたんですけど、その中でも指導者の方も凄くコミュニケーションを密にとってくれて、充実した高校野球生活だったと思います」

——お互いの第一印象はどんな感じでしたか?

間木「最初は仲が良かったグループが全然違って、自分は割とおとなしいグループで、今朝丸は結構“はっちゃけた”グループでした。最初はちょっと仲良くなれないかもなと思っていました(笑)」

今朝丸「自分は友達にはなれそうな雰囲気はあると思っていました。ただ最初は間木があまり自分から話してこなかったので、ちょっと打ち解けるまでは時間があったと思います」

間木「1年秋くらいに自分も今朝丸も試合で投げ始めて、一緒に練習する機会が増えて、徐々によく話すようになりました」

——お互いを意識する気持ちも強かったですか?

間木「最初は先輩を見ていて、2人で頑張ろうという感じでした。ただ自分たちが一番上の代になってからは、意識するようになりました」

——今朝丸くんは1年秋に智弁和歌山戦で打ち込まれて、それから取り組みが変わったという話を部長の磯野先生に聞いたんですけど、その時のことは覚えていますか?

今朝丸「はい。覚えています。結構メンタル的にもやられて、何とかしないといけないと思って、磯野先生に『どうしたら抑えられますか?』ということを聞きました。それから練習に対する意識とか、試合に入る気持ちも変わったと思います」

——間木くんはそういう何か成長のきっかけになった出来事はありましたか?

間木「自分は逆に良い結果が出たことで『次も行ける!』という感じで上がってきたタイプなので、一番大きかったのは1年秋の県大会で完封できたことですね。それで手応えを感じてその後の成長にも繋げられたと思います」

投げずに終わった選抜決勝が一番悔しい思い出(間木)

——最初に甲子園に出た時の感想はどうでしたか?

間木「観客として見に行ったことはあるんですけど、グラウンドに入ってみると雰囲気が他の球場とは全然違って、熱量も凄いなと思いました。本当に夢の舞台という感じで、スタンドから見ているのとは全然違いましたね」

今朝丸「雰囲気はやっぱり他の球場と全然違うというのは自分も感じました。お客さんも多かったですし、そんな中で投げたこともなかったので、本当に良い経験ができた場所だと思います」

——お互い見て、相手のピッチャーとしての良いところはどんなところだと思いますか?

今朝丸「間木のいいところは、しっかり変化球でバッターを操れるところかなと思います」

間木「今朝丸の良さはやっぱりストレートで圧倒できるというところですね。自分は変化球をいくつか投げ分けてストレートも生かしているんですけど、今朝丸はここぞという場面でもストレートで勝負できるのは凄いと思います」

——この3年間でここが一番成長したというところを教えてください。

今朝丸「自分はまず体重を増やして、体をしっかり鍛えられたということが大きいです。それに伴ってボールも力が出てきました。技術的にはサードの方向を見たまま併進運動する時間を長くとれるようになったことかなと思います」

間木「真っすぐも成長しましたけど、自分は変化球ですね。隣に真っすぐがいいピッチャーがいたので、自分はそれにこだわり過ぎることなく、変化球とコントロールを磨いていこうと思って、それがしっかりできたかなと思います」

——高校野球で一番印象に残っていることは何ですか?

間木「自分は今年春の選抜決勝ですかね。ずっとブルペンで準備をしていたんですけど、結局最後まで試合では投げずに終わったというのが野球人生でも一番悔しかったです」

今朝丸「自分は逆に嬉しい方なんですけど、3年夏の兵庫大会の決勝の明石商戦で、3年間でも一番いいピッチングができたことです。投げていても打たれる気がしなかったです」

——対戦して凄いと思った選手を教えてください。

今朝丸「自分は大阪桐蔭の境(亮陽)選手です。どこに投げてもとらえられるなという印象がありました」

間木「一学年上の選手になるんですけど、自分は仙台育英の橋本(航河)選手です。自分でいいところに投げられたと思ったボールにもしっかりアジャストされて、対応力が凄いなと思いました」

——大角監督はどんな人ですか?

間木「本当に真っすぐというか、正しいことしか言わない人です。自分はよくない行動も多々あったので、そういう時は叱られましたけど、この人についていけば間違いないというのはありました」

今朝丸「本当に真面目で、練習に対してもしっかりメニューを組んでいるなと思いました。自分は間木みたいにあまり叱られたことはなかったです(笑)」

——最後に今後の目標、どんなピッチャーになりたいかをお願いします。

今朝丸「自分はプロに行って、大きな目標は200勝です。任せられた試合をしっかり勝ち切れるピッチャーになれば、それにも到達できるかなと思います」

間木「自分はまず大学で4年間しっかり鍛えて、4年後にプロから選ばれるような選手になるというのが当面の目標です」

2人ともありがとうございました!

(写真/編集部)

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