濱岡蒼太(川和)|甲子園出場が目標。そのうえでドラフト指名されるような選手になる

全国でも屈指の激戦区である神奈川県。そんな中で県立の進学校ながらスカウト陣の間でも話題となっているのが川和のエース、濱岡蒼太投手だ。昨年秋の県大会では東海大相模を相手に2対3でサヨナラ負けを喫したものの、7回までは1失点と好投を見せて話題となった。そんな濱岡投手にこれまでの経歴と今後の目標などを聞いた。

控え投手だった少年野球時代

――野球を始めたきっかけを教えてください。

小学3年生の冬に、仲の良かった友達に誘ってもらって少年野球のチームに入りました。野球以外は少しスイミングをやっていたくらいです。

――ポジションはピッチャーだった?

左利きだったということでピッチャーをやらせてもらいましたが、5年生まではほとんど試合で投げるようなこともありませんでした。6年生になっても控え投手で、エースが投げない日は自分が投げるような感じでした。

――中学時代はどうでしたか?

最初は硬式のクラブチームも考えたんですけど、少年野球でエースだったチームメイトが中学の部活でやるというので、自分も田奈中学の軟式野球部に入りました。小学校の時に地元で選抜された選手もみんな同じ中学に進んでいて、2年生の秋には横浜市で優勝しました。市内の中学軟式野球部から選抜される横浜クラブというチームにも選ばれて、軟式でも130キロ以上は出ていたと思います。

――川和高校を選んだ理由を教えてください。
 
2021年の夏に川和が東海大相模と8回まで1対1で競った試合があって、父親がそれを知って勧めてきたのがきっかけです。中学2年の時に体験で来てみて、環境やチームの雰囲気を見て直感的にここでやりたいと思いました。ちょうど自分が進学する直前に監督が代わることになったので、新しく監督になる平野先生に色々質問して、しっかりとした野球ができそうということで決めました。

――川和高校は進学校で入試も簡単ではないと思いますが、大変ではなかったですか?

入試に向けてめちゃくちゃ頑張りました。ただ文武両道みたいなことをよく言われるんですけど、それが理由というわけではなく、あくまでも野球をする環境が自分に合っていると感じたことが理由です。自分で考えて自主性を持って取り組めるチームなので、成長できる環境だと思いました。正直勉強についてはテストに合わせては今でもやっていますが、そこまで凄く頑張っているわけではないので、それで文武両道みたいなことを言われるのは違うなと思います。勉強についてはもっと頑張っている同級生がいっぱいいるので。

球速や投げる以外のプレーを意識

――高校に入って早くから試合で投げていますが、これまでの自分の成長はどう感じていますか?

目指していた選抜にも出られていませんし、完璧に自分が思い描いていた通りではありませんが、着実に成長しているとは感じています。入学した時のスピードは130キロ程度で、秋の最速は144キロでした。ただ秋はアベレージは130キロ台中盤程度だったのが、この冬にはコンスタントに140キロ以上出るようになって、平均球速はかなり上がったと思います。ただスピードはあくまでも分かりやすい指標というだけで、もちろんそれだけを求めてやっているわけではありません。特に平野先生からはスピードや投げる以外のプレーについても凄く求められるレベルが高いので、その点は高校に入ってからもかなり意識して取り組むようになりました。

――自分のピッチングの中で自信がある部分はどこですか?

球種ではカットボールです。中学校で変化球を投げるようになって、初めて覚えたボールがカットボールでした。父親は野球未経験なのですが、自分が野球を始めてから一緒に色々勉強してくれて、山本由伸投手のカットボールが凄いということで、それを参考にして投げるようになりました。打者目線からすると、途中までストレートに見えるようにというのを意識しています。あとスピードや曲がり方も相手の打者によって微妙に変えたりすることもあります。指先の感覚も重要ですけど、あとはどういう理屈でボールが変化するのかということを理解することも大事だと思っています。

――今まで対戦して凄いと思った選手は誰ですか?

練習試合で対戦した健大高崎の秋山(潤琉)選手です。神奈川の出身ということもあって試合前に少し話す機会もあって、絶対に抑えたいと思ってインハイにその日最速の138キロのストレートを投げました。手応えもあるボールだったのですが、完璧にとらえられて左中間に持っていかれて、凄いバッターだなと。強く印象に残っています。

――川和高校は進学校としても有名ですが、高卒でのプロ入りを希望していると聞きました。そう考えるようになったのはいつからですか?

野球を始めた時からずっとプロを目指してやっていますし、高校に入る時もそれを考えて選びました。さっきも言いましたが、文武両道ではなくあくまで自分が野球でレベルアップできる環境だと思ったからです。まだまだ足りないところは多いですけど、春、夏としっかり課題をクリアしてドラフトで指名されることを目指しています。

――最後に最終学年での意気込みをお願いします。

1年から投げさせてもらっていますが、大事なところで勝てていないのでまずはチームとして夏は結果を出して、甲子園出場することが目標です。そのうえでドラフトで指名されるような選手になる。左ピッチャーは有利みたいなことを言われますけど、左右関係なくちゃんと評価されるようなピッチャーを目指して取り組んでいきます。

濱岡選手、ありがとうございました!(取材:西尾典文/写真:編集部)

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