雄星 ポスティングでメジャー挑戦へ 代理人は大物ボラス氏
西武はポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指す菊池雄星投手(27)と会談し同制度の申請を行うことを5日、決定。また、スコット・ボラス氏(66)が代理人を務めることも決まった。メジャー数球団による争奪戦がまもなくスタートする。
菊池はこの日、都内で渡辺久信SDらと会談。「昔からの夢で(大リーグへ)行きたい」と伝え、球団も了承し正式にポスティング申請を行うことを決定した。同席した飯田光男常務は実際の申請日程については「まだ分からない」としたが、今後、日本野球機構(NPB)に申請され、大リーグ機構(MLB)に契約可能選手として通知される。
申請期間は11月1日にスタート。締め切りは昨オフまでの翌年2月1日から、12月5日へと短縮された。メジャーの移籍市場は一般的に大物から順に去就が決まるため、この変更は不利に働くとも考えられる。しかし、大リーグ関係者によれば、ボラス氏サイドは「選手にしっかりバリューがあれば(交渉時期が)早くても大丈夫」と自信を見せているという。ボラス氏自身もワールドシリーズ期間中、菊池の名前こそ挙げなかったが「投手の市場は人材豊富、特に左投手がいい。しかし30歳以下の良い投手となると、そうはいない。限られている」と太鼓判を押していた。
今オフ移籍の可能性があったドジャースのカーショー、レッドソックスのセール、プライスら大物の左腕は続々と残留が決定。貴重な左腕として菊池の存在感は米国内でも高まっており、争奪戦の行方が注目される。
【ボラス氏とは】 元マイナーリーガーのボラス氏は現役引退後、弁護士資格を取得し代理人に転身。今オフFAの目玉である外野手ハーパー(ナショナルズからFA)ら有力選手を多く抱える。ハーパーのナ軍入りの際には労使協定改定で11年以降の契約金が制限されるのを見越し、4年制高校を2年で中退→短大1年終了後の10年にドラフト指名を受ける、という「裏技」が話題となった。昨オフの投打の目玉だったアリエッタ(フィリーズ)、マルティネス(レッドソックス)らの交渉では長期戦を選択。日本選手では、松坂大輔(現中日)や中島宏之(オリックス退団)の渡米時に代理人を務めていた。