ケガの功名?木田画伯 輝星との縁つなぐ92

 日本ハムの投手チーフコーチに就任した木田優夫コーチ(50)による今回の「木田画伯の球界絵日記」は、球団フロントから現場に戻ることになった自身について。12年限りで日本ハムを退団し、15年からGM補佐として球団に復帰した木田コーチにとって、日本ハムのユニホームを着るのは6年ぶりです。これまでの経験を生かし、指導者として気持ちを新たにチームへ貢献するつもりです。

日本ハムの投手チーフコーチに就任した木田画伯

 ファイターズは来季に向けて10月31日から、沖縄県国頭村で秋季キャンプを行っています。そして僕も、このキャンプから投手チーフコーチとしてユニホームを着て参加しています。2012年にファイターズを退団して6年ぶりにまたファイターズのユニホームを着られることになり、うれしく思っています。

 今回、背番号は「92」をつけることになりましたが、発表されたときからいろんな人に「92番」の意味を聞かれ、「急に(92)」決まったからか、ファイターズでつけていた「42」に今の年齢の「50」を足したのか、とか言われましたが、本当に意味はありません。ただ、その「42」とその後に石川ミリオンスターズでつけていたのが「12」番だったので何となく「2」が付く方がいいなと思ったくらいです。

 4年間、GM補佐として働いてきて、コーチの皆さんの仕事も近くで見てきましたが、やはり自分がコーチになってみると、勝手が違うこともたくさんあります。それでも選手のため、そして来年ファイターズが優勝するため、日数はあまりありませんが、残りの練習に全力で頑張っていこうと思っています。

 そういえば、92番のことで去年と今年のドラフトで1位指名の抽選クジを引く大役を任されていたので、その「クジ(92)ですか」と聞いてきた記者もいましたが、考えてみると、僕のGM補佐としての最後の仕事がクジを外したことでした。

 ただ、外したことで金足農の吉田輝星投手と縁ができて、今度はコーチとして彼の成長の手助けをしていくことになったわけです。もちろん、彼だけではなくファイターズにいる全投手によりよい野球人生を送ってもらいたいですし、来年秋には吉田投手も含めてみんなで優勝して喜び合いたいと思っています。 (日本ハム投手チーフコーチ)

 ◆木田コーチとドラフト 昨年ドラフトで1位指名した早実・清宮の抽選に臨み、7球団の競合となる中で見事に当たりクジを引き当てた。親交の深い明石家さんまから「おまえの右手は持ってへんからな」というアドバイスを受けて、左手で交渉権をゲットした。今年のドラフトは1位指名した大阪桐蔭・根尾の抽選を左手で外し、これがGM補佐としての最後の仕事となった。しかし、外れ1位指名の金足農・吉田は他球団と重複することなく、交渉権が確定した。