ヤクルト寺原、うれしかった松坂の気遣い「投げ合うのが楽しみ」 新天地では怖いものなしで
その瞳の輝きは野球少年のようだった。今季限りでソフトバンクを退団し、来季からヤクルトでプレーすることが決まった寺原隼人投手(35)。ソフトバンクでの最後の行事となった、福岡県内で行われた12月3日の選手会納会ゴルフでは、「ヤクルト」カラーを思わせるような青いウエアでラウンド。「これ、リバーシブルなんだけど、あえてこっちで」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

戦力外通告を受けた際、憧れのスーパースターから連絡があった。昨季までソフトバンクに所属し、今季、中日で復活を果たした松坂大輔投手(38)だった。「松坂さんに“(次が)決まったら教えて”と。決まって、すぐに連絡して報告しました」と笑顔。同じセ・リーグ球団となったため、投げ合う可能性もあり、「僕にとってはスーパースター。投げ合うのが楽しみ」と心を躍らせた。
日南学園高で出場した01年夏の甲子園では、当時の甲子園最速となる154キロをマークした。横浜高時代からの活躍で「平成の怪物」と呼ばれた松坂の背中を追っていただけに、同じチームで過ごした3年間は特別なものになった。「スーパースターなのに、正直、こんなに人が良いとは思わなかった」と懐かしそうに振り返った。
01年ドラフト1位でダイエーに入団。横浜(現DeNA)、オリックス、そしてソフトバンク復帰、ヤクルトで4球団目となる。「一回切られている身。でも、怖いものなしでいくしかない。拾ってもらった恩を返さないといけない」。来季はプロ18年目。ベテラン右腕の新たな挑戦が始まる。(記者コラム・後藤 実穂)