日本のスポーツ界の想いを言葉に変える。コピーライター・吉谷吾郎の仕事観
やりたい仕事の基準は、チャレンジかどうか
仕事をする上で心がけているのは、ただ受注することが目的でなく、本当にその企業や組織の志や夢を実現させるために必要なことを本質的に考えてご提案することを心がけています。なので、例えばもともとは「採用ホームページをつくりたい」というオーダーでも、課題を深掘りしていくと「社内コミュニーケーションの活性化と社員のモチベーションUPが先ですよね」と提案することもあります。
ですが、それは人事担当者では手に負えなくなってしまいますよね。なので、「ホームページをつくることは手段で、課題を解決することが目的」と理解してくれる真剣な経営者との仕事がほとんどになっています。そして、経営者の方と真剣勝負の仕事をすることで、「人としての真摯さ」や「人間ってどんな生き物か」ということをいつも勉強させてもらっています。
提供:吉谷吾郎さん
今、世界中に日本の素晴らしさを伝えることに興味を持っています。僕のクライアントには社名に「JAPAN」が付くクライアントがたまたま多いこともあるせいなのか、多くの経営者たちが、「日本は凄い国だということを世界に伝えたい」と言っていたことに感化されているからかもしれません。
僕のクライアントだけでなく、スポーツ、なかでもラグビーを通して日本の素晴らしさを世界に発信していくような仕事を今後はしていけたらと思っています。
誰かに仕事をお願いしていただいたときに、「自分からお願いしてでもやりたいかどうか」ということも大事にしています。そのやりたいと思う基準は、自分にとってチャレンジする要素があるかどうか。
「できることをやる」のは簡単ですが、簡単な分しか達成感を得られないものです。自分のできる範囲ではなく「できないかも」「やらなければいけない」と思える仕事に自分自身で意義付けをしてチャレンジしていきたいです。
そういったチャレンジする仕事だと、ほとんどのケースで「誰かに頭を下げないとできないこと」が生じます。自分にできないことは「教えてください」「手伝ってください」と頭を下げないといけないじゃないですか。自分にない強みを持っている人と働きたいですし、みんなが自分の強みを活かしあって、1+1を2以上にしていくことが大切だと、会社やラグビーなどのチームワークを通じて学びました。
仕事は人と人の信頼関係
仕事をしていく上で大切だと思っているのは「人との信頼関係」です。仕事は、「会社」からやってくるのではなく、「人」からやってくるものだと思います。人との出会いを大切にして、出会ったすべての人に感謝することができて、その人たちの役に立ちたいという思いがあれば、そこに人が集まってきていい仕事ができるのだと信じています。
信頼関係をつくるために大事にしているのは、「正直でいること」です。誠実さと言ってもいいかもしれませんが、嘘の自分では相手に見透かされてしまいますし、こちらが相手を心から信じていなければ、向こうも自分を信じてくれませんから。
あとは、「約束をして、それを守る」ということも大事にしています。しかし、どうしても約束を守れない時もあります。そういうときも、嘘をついたりごまかしたりせず、正直に「ごめんなさい」とすぐに全力で謝ること。ピンチの時でも逃げなければ、それをチャンスに変えることができるので。
いい文章やコピーを書いたり、企画を考えたりする上で大切なのは、いかに普段から嘘をつかずに誠実に生きているかとか、電車で人に対してやさしくできるかとか、そういう日頃の生活をきちんと生きることだと思っています。
自分から発せられる言葉には日頃から責任を持ちたいですし、あらゆる仕事は「困ったり悩んでいる人によろこんでもらうもの」だと思うので。仕事というものは、「自分のため」だけではなく、人によろこんでもらって、はじめて大きなよろこびを得られるのではないでしょうか。
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